「仕事は厳しいです」と、はっきり伝える
クリニックの経営とは、医師とスタッフが力を合わせる一体化したチームを作ることでもあります。そして、チーム作りの第一歩は、メンバーの選抜です。よりよいクリニックを作ろうと考えるのであれば、スタッフ採用の手を抜くことは許されません。
私の会社の場合は、3カ月の時間と5段階の選抜を通して、10人前後のスタッフを開業時に採用しています。採用が10人といっても、募集広告を出せば応募してくる人数はその10倍にものぼります。競争倍率10倍の中を勝ち抜いてきたスタッフですから、精鋭ぞろいになるのも当然です。
1次選抜は、募集広告に対してかかってくる応募の電話と、履歴書などの書類で行います。この電話で「この人はウチには合わない」とわかってしまうこともよくあります。これは人事担当者の感覚的なものなのではっきりとは説明できないのですが、合う・合わないは、電話の応答だけでわかるときもあります。
ここでのポイントは「仕事は厳しいです」と、あらかじめはっきりと伝えることです。正直にいえば、看護師や医療事務や受付といったクリニックの仕事は、応募者がとても多い買い手市場です。ですから、クリニックにしてみれば、よりよい人を厳選することができます。
「仕事は厳しいです」といって、たじろぐような人は、楽をしたい人ですから、最初からこのクリニックには合いません。逆に「それでも構いません」「がんばります」「やりがいのある仕事を求めています」とやる気を見せてくれる人であれば、見込みがあるので次の段階に進んでいただきます。だいたいここで半分くらいに絞ります。
エントリーシートの質問に模範解答はないが・・・
このとき応募者に書いていただくエントリーシートには、次のような質問があります。
Q.応募動機を教えてください。
Q.他人に「あなたの考えは違う」といわれたが、自分が正しいと思うときどうしますか?
Q.過去の習慣を大切にしている人をどう思いますか?あなたは大切にしますか?
Q.昨夜から発熱していた子どもを、午前の診察時間後に親が連れてきました。あなたはどう思いますか? そしてどのように対応しますか?
Q.あなたは友人からどのようにいわれていますか?(「〇〇さんは××な人だね」)
Q.今、あなたは幸せですか?その答えの理由も教えてください。
これらの質問に正解はありません。どのように答えてもらっても構わないのですが、こちらとしては「このような答えの人は残念だけど会えない」と決めている答えもあります(その答えは、今後の採用活動に関わるので、ここでは書けません。詳しくはお問合せください)。