3つのコミュニケーション能力を磨くGSKセッション
「GSKセッション」では、社員一人ひとりの「話す力」、「聞く力」、「書く力」という3つのコミュニケーション能力を磨くことができます。なぜならば、「GSKセッション」においては、スタッフの一人ひとりがインタビュアーとなって、別のスタッフの仕事における体験談をヒアリングするからです。これによって「話す力」と「聞く力」の両方が養われます。さらに、ヒアリングの結果をレポートにまとめることによって「書く力」もつけることができます。
「GSKセッション」は、会社の中にあるクレームや失敗という「会社の財産」を吸い上げるために行います。クレームや失敗というものは、あまり他人にいえないことですから、どうしても表には出てこず、隠れてしまいがちです。しかし、定期的な「GSKセッション」によって強制的に情報を開示させることで、お客様の生の声を、経営リソースとして拾い上げることが可能になります。「話す力」、「聞く力」、「書く力」の3つを身につけることで、それぞれのスタッフの問題解決能力が高まります。それによって、スタッフにクレームが浴びせられたときにも、自力で解決できるようになるのです。
患者からの声を吸い上げることも可能に
「GSKセッション」は、スタッフの能力向上だけでなく、患者からの声を吸い上げることも目的にしています。患者というのは、あまり表立ってクレームはいってこないものなので、こうしたかたちで積極的に吸い上げる必要があります。たとえ、はっきりとしたクレームになっていなくても、態度や言動から患者の感じている不満は、スタッフにそれとなく伝わっています。
院長は、患者と5分程度の診察時間で接しているだけですが、看護師や受付のスタッフはもっと長時間、患者に接しているわけです。ですから、肌感覚で患者の生の声を拾っている。拾ってはいるのですが、それを院長に伝える手段もないし、必要性も感じていないので「GSKセッション」のようなかたちで強制的に聞き出さないと、教えてはくれないのです。
そもそも、クリニックにおけるクレームとは何かといえば、患者の動揺や感情的な言動はすべてクレームと考えていいと思います。一般の商店であれば、不満を感じたお客様は自然と来なくなるので、クレームを吸い上げる機会はそれほど多くありません。しかし、クリニックではたとえ何らかの不満を感じていても、病気になれば近くのクリニックに足を運ばざるを得ません。そのため、患者の不満は態度や言動にそれとなく表れてきます。それをすべて吸い上げて情報として院長に伝えるのが、私たち経営コンサルタントの役割です。
ですから、患者の問題を感じ取る力を伸ばすことも「GSKセッション」の目的のひとつです。また、そうやって感情的になったり、動揺していたりする患者に、いかに穏やかになってもらうかに、スタッフのホスピタリティ力が使われます。このホスピタリティ力も「GSKセッション」で養います。
「GSKセッション」によって、スタッフに次のような習慣改善力がつきます。
●後でいい・明日でいい、という後回し意識を、今やる・今日やるに変える。
●再確認の後にもう一度確認し、丁寧に仕事をする。
●いいたくない報告でも、上司にいう。
●人や自分に対して噓をつかず、いい訳や愚痴をいわない。
●面倒くさいことからやることを徹底する。
●人のミスや自分のミスを他人のせいにせず、他人を責めない。
こうした勉強会は、スタッフの教育に大きな効果を発揮しています。さらに「がんばります」「すみません」「感謝します」という原則は分かりやすく、子どもの教育の現場でも応用できるものです。そのため、最近ではこの勉強法をテーマとした講演会を、教育現場でも行うことが増えてきています。特に専門的な技術が必要な手法ではないので、スタッフへの教育のひとつとしてとり入れてみてはいかがでしょうか。