前回は、「ヘッジファンド投資」の概要を解説しました。今回は、ヘッジファンドの具体的な投資戦略について解説します。

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株式市場の変動リスクを低減させつつ収益を狙う

●株式ロング/ショート戦略

株式の買い(ロング)と売り(ショート)を同時に行うことで、株式市場の変動リスクを低減させつつ収益を狙う戦略です。一般的には株式市場に対してネット・ロングのポジションを保有する傾向があります。従来の買い(ロング)のみのファンドと異なり、次の様な特徴があります。

 

①流動性の低い株式を保有し、これに対するリスク・プレミアムを獲得できる


②ショート・ポジションや金融デリバティブを効果的に利用できる


③特定のベンチマークに従う必要がないため、株式市場の地域、セクター、大型/小型、バリュー・グローススタイル間などにおける非効率性を利用できる

 

ヘッジファンドの中でも代表的運用手法の1つで、日本株を対象としたロング/ショート戦略で運用する公募投資信託があります。2017年3月には、日本株ロングショート戦略ETFが上場しました。このETFの戦略は、配当利回りの高い日本株式からなるポートフォリオを買い(ロング)、日本株の先物を売る(ショート)ことにより、株式市場の変動リスクを低減させつつ、高い配当利回りなどの安定的な収益を狙います。

 

株式ロング/ショート戦略はヘッジファンドのカテゴリー別資産規模で最大の戦略です。

 

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マーケットに対して「中立」のポジションを組む

●株式マーケット・ニュートラル戦略

伝統的な株式ベンチマークとは相関しない収益を狙います。株式市場の様々なファクターに対するエクスポージャーがほぼ等しくなるように、株式の買い(ロング)と売り(ショート)を行います。先に説明した株式ロング/ショート戦略との違いは、マーケットに対して「中立」のポジションを組む点です。

 

例えば、現在A社の株価が1000円で、B社の株価が500円だと仮定して、この2社を財務内容や将来性などを分析します。その結果、A社が1000円ならばB社は700円が適正な株価だと判断したとすると、「A社がB社に対して割高である」または「B社がA社に対して割安」であると言えます。この場合、同じ金額でA社を売って(ショート)、B社を買う(ロング)取引を行います。理論価格が適正であり、A社が1000円で変わらなければ、B社が700円に収束し、200円の利益を得ることができるはずです。

 

ただ、分析した適正価格が間違っていた場合や価格のゆがみに市場が反応しなかった場合は利益を上げることは出来ません。分析能力、銘柄の選択が重要だと言えます。

 

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本連載は、一般的な投資信託の仕組みなどを紹介することを目的にしています。投資を促したり、筆者が所属する「幻冬舎アセットマネジメント」に勧誘することを目的としたものではありません。また、投資にはリスクがあります。リスクに十分に考慮をして、投資判断を行ってください。本連載の内容に関して投資した結果につきましては、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

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