大家同士の横のつながりを持つことに役立つ
さて業者営業をする際に、名刺があったほうが都合が良いということはすぐにわかるでしょう。営業担当者との名刺交換の際に必須のアイテムです。ただこれは営業のためだけではありません。大家というのは孤独な仕事です。自分の資産のことなので、下手に近所でべらべらとしゃべるわけにはいきません。また、大家でない人には、大家の苦労はなかなか理解してもらえないものです。たいていは「そうは言ってもアパートを持っているだけでもいいわよ」なんて返されたりします。
そんな中で、最近は大家の会があちこちにできてきています。私自身もいくつかの大家の会を主宰していますが、懇親会などでは皆さんとても気持ち良さそうにお話をされています。大家同士なのでお互いの気持ちがわかるのです。大家同士は少ないパイを取り合っているのでライバルでもありますが、何よりも同じ思いを共有できる戦友のような気持ちを持たれるようです。そういう大家の会では名刺がないとなかなか名前を覚えてもらえませんし、個人的に連絡も取れません。したがって、名刺を持つことによってこういう大家同士の横のつながりを持つことにも役に立つのです。
「とりあえず作りました」的な名刺ではダメ
ではどのような名刺を持てばよいのでしょうか。
ときどき大家の会などで名刺交換をすると、本業の名刺をいただくことがあります。サラリーマン大家さんからです。これはもったいないことです。サラリーマン大家の方の本業の名刺の連絡先に連絡するわけにもいかないからです。やはり大家専用の名刺というものが必要です。ただ、「とりあえず作りました」的な名刺はもらってもうれしくも何ともありませんし、そういう方は印象にも残りません。私がもらってうれしい大家さんの名刺とは、次のようなものです。
●その人となりがフォントやイラストで表されているもの
●顔写真入り
●キャッチコピーが面白い(○○大家など、自分でキャッチコピーを決めている)
●物件の写真入り
●カラフル(決して派手ではない)
たとえば下の図表のようなものです。これらはそれぞれの大家さんから許可を得て掲載させていただいています。
[図表]名刺の例
これらは街の印刷屋さんで作ったものもあれば、インターネットでSOHOさんに頼んで作ってもらったものもあります。頼むと数千円はかかります。ただ、大家さんがご自身で作ったものもあります。量販店などで名刺作成のソフトを買って作ったものや、フリーソフトをダウンロードして作られたものもあります。これらもソフト代や名刺の専用台紙を買うとお金がかかりますが、頼むよりは安くできます。そんなに大きな違いではないのでどちらでも良いでしょう。
プロに頼めばそこそこのものはできます。最近の流行りは、インターネットで注文したら海外のデザイナーが作って送ってくれるものです。これも国内で頼むものとそんなに差はないようです。ただ、こうした外注の場合でデザインにこだわる場合は、細かいニュアンスをきちんと伝えないと思ったものと違うものができたりすることがあります。そういう時は自分で作ったほうが良いものができたりします。
いずれにしても営業ツールとしての大家業の名刺は、あなたの強力な武器となるものにして初めて意味のあるものになるのです。