前回は、海外のお客様をおもてなしする「サービスの基本」について取り上げました。今回は、外国人の来店客が「不快」に感じる接し方について見ていきます。

サービスの原点「Acknowledge」とは何か?

サービスの原点「5つのA」の中では①Acknowledgeが最重要ポイント。サービス業、ホスピタリティ業界では根幹をなす部分であるにもかかわらず、実は日本人に一番足りないところでもあるのです。今回ではAcknowledgeを中心に事例を見ながら考えていきましょう。

 

Acknowledgeをもう少し詳しく述べれば、次のようになります。

 

(1)相手の存在を認識する

(2)相手のニーズを認識する

(3)相手の気持ちを認識する(共感/反応する)

人が不快感を抱くのは「相手に認識されていない」とき

(1)「相手の存在を認識する」を最も明確に表すことができるのが、次の例です。

 

お客様がお店に入って嫌だなと感じるのは、いったいどのような時でしょうか。

 

サービスを考えるうえで私は、ことあるごとに皆さんにこの質問をしています。興味深いことに人が不快感を抱くのは、似通った場面が多いことがわかります。

 

たとえば、お店に入ったとき、店員さんが先に入店されたお客様のお相手をしていることがあります。店員さんは、目の前のお客様のお相手で精いっぱい。近くに手の空いた店員さんもいません。

 

たまたまほかの店員さんがいなかったのか、慢性的な人手不足なのかはわかりませんが、決して珍しくはない光景です。そのようなときに、お客様の相手をしている店員さんに「すみません」と声をかける方は一般的になかなかいないでしょう。ですから、お客様はひたすらこちらの出方を待つだけになります。

 

「何だ、タイミング悪かったなあ」とちょっと残念ですが、ここで、スゴスゴと引き下がるべきか、それとももう少しだけ待ってみるべきか。ここで、お客様の決断を左右するのは、店員さんの対応です。店員さんの態度によっては、無視されていると感じる人が多いのは事実のようです。

 

人間とは自分勝手なものです。自分が相手をされているのであれば決して嫌な気持ちにはなりませんが、自分が待たされている身となると仕方ないことだとは理解しつつ、少し不満に感じるのは、人間としては至極当然のことなのです。

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村田 志乃

幻冬舎メディアコンサルティング

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