前回は、堅実な資産運用の方法を紹介しました。今回は、出所不明の投資話に乗る危険性について見ていきます。

「100%安全な投資」など存在しない

誰だって、お金を「欲しい」と思うものです。

 

「楽をしたい」「夢を実現したい」「あれが買いたい」「あそこに行きたい」……etc。お金の用途は人それぞれです。「本業に精を出して、お金を稼ぐ」という姿勢は、とても良識的でまっとうなものです。しかし本業だけでは自分の理想とするお金には足りないので、「副業にも励む」。このような考え方も正解でしょう。

 

しかし、人間というものは生来「怠け者」にできています。厳しいことは嫌なものですし、大きな変化も好みません。そして、ほんの少しのお金ができれば、それを元手にして「楽してドーンと増えないかな?」と考える人も珍しくありません。人間とは、「欲深い執着の塊」とも言えるのです。

 

そして恐ろしいことに、そういった人の欲につけ込む連中が世の中には多く存在します。「投資詐欺」の話がその典型です。

 

投資を少しかじった人なら、「利回り」を非常に気にします。それは、元手の資金がそれほどないからということもあります。「その少ない元手をなんとか効率よく増やせないものか?」と考えてしまうのです。

 

実はこの考え方は、ギャンブルの思想と同じです。その上、残念なことに、お金の勉強をしていない人が大多数で「リスク分散」の発想がありません。また、あまり頭を使いたくないためか、聞かされた投資情報が、どういう理由でお金が増えるのかをきちんと理解しようともしません。

 

私は以前、手元にお金が結構あり、お金のことを多少は勉強して「投資詐欺なんかに騙されない」と自負していた時期がありました。

 

「騙される人はスキがあるのだろう、私は大丈夫」とたかをくくり、いろんな人から投資の情報を聞いては、かなりの金額でさまざまな投資を行いました。しかし今になってよく考えると「いいカモ」でした。

 

リターンの良かった投資案件もありましたが、その一方で投資詐欺のようなものにも引っかかり、かなり痛い目に遭ったのです。

 

当時の私は、お金が増える仕組みの裏を取らなかったり、見ず知らずの人でも、案件が良さそうだったらすぐに信用してその話に乗っていました。そして、「ある日、電話してもつながらない」「記載された住所に行くと、もぬけの殻」など信じられないようなトラブルにも巻き込まれました。

 

けれども、これらの経験を通し、「利回りが異常に高いものは、危ないことが多い」など、大切な教訓を学ぶことができました。そしてここから「お金のことをしっかり学ばないといけない」という危機感を抱くことができたのです。

 

具体的に言うと、「元手が2倍に増える」「利回りが年利で50%」などという投資案件は、疑ったほうが無難でしょう。さらに言うと、見ず知らずの方から提供された情報は、信用しないことにしています。話を参考のために聞くことはありますが、投資話にはほとんど乗りません。やはり、誰が持ってきてくれた情報かは重要です。

 

いずれにしても「100%安全な投資」など、世の中にないと思ったほうがよいでしょう。「投資の利回りに騙されない」「知らない人の投資情報は鵜呑みにしない」ということがポイントです。

あらかじめ「負ける人」を決めてから投資をする!?

超富裕層の人たちに目を転じてみると、彼らは「お金を増やすこと」より、孫子の代まで「いかにお金を減らさないか」という思考をしています。「お金をうまく運用して増やしたい」という欲が先行しないように気を付けてください。

 

世界的な視野で見ても、元手が決して多くはない個人投資家が、うまく運用してお金を増やすというのは、なかなか難しいことなのです。

 

私の知人でユダヤ人の富豪を知り合いに持つ、機関投資家のDさんから聞いたお話をご紹介します。Dさんが言うには、ユダヤ人のお金持ちの投資には鉄則があり、「絶対負けない投資にしかお金を出さない」そうなのです。

 

一般常識では「絶対負けない投資」などあり得ないはずです。ところがユダヤ人のお金持ちはとてもしたたかで、1回に何十億というとても大きな取引をする一方、「絶対に勝つ投資」にしかお金を出さないのです。

 

「絶対に勝つ投資」とは、いったい何でしょう。株やFXなど一般的な投資では、勝つ人がいれば負ける人もいます。競馬でも、万馬券の裏には、大多数の負け馬券が存在しています。

 

同様に、リーマン・ショックのときに破綻した会社や、お金がふっとんでしまった個人投資家の裏には、ほんの一握りの儲ける人が存在していることになります。ユダヤ人のお金持ちの場合、このほんの一握りに必ずなるように仕掛けることが多いというのです。

 

つまり投資をするとき、あらかじめ負ける人を決めてから投資をするのだそうです。それはたとえて言うと、麻雀のプロ雀士3人が待っている雀荘に、ひょこっと1人の素人がお店に入るようなものです。

 

世の中にはいろいろな投資があります。金融商品を扱う会社の営業マンに言われるがまま、よくわからずに投資信託や株を買っても、必ず勝てるものはないと知っておいてください。私たち一般人には見えない、上には上の情報網があって、そこでは何十億、何百億というお金を動かすような大きな流れがあるのだと覚えておくとよいでしょう。

 

<ポイント>

ハイリターンな投資話、出所不明の投資話には用心する

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    本連載は、2017年1月10日刊行の書籍『お金にモテる独身女子50のルール』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    お金にモテる独身女子50のルール

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    和田 勉

    幻冬舎メディアコンサルティング

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