前回は、将来に備えて「自分年金づくり」を始めるべき理由を説明しました。今回は、お金を貯めたいなら「税金」に詳しくなるべき理由を見ていきます。

重要なのは「賢く節税する」という思考

お勤めをしているオトナ女子の場合、税金に興味を持っているという方は少ないはずです。なぜならお勤めの場合、税金が毎月自動的に徴収されることがほとんどだからです。

 

もちろん給与明細を見れば詳細はわかりますが、自分の力で金額を変動できるわけでもないので、「なんとなく確認しているだけ」というレベルにとどまっているのではないでしょうか。

 

私自身も、サラリーマンになりたての若い時期はそうでした。「税金なんて、自分とは関係がない」と決めつけていたのです。

 

ですが、だんだんと税金に興味を持つようになり、学び始めるようになりました。そして、多くの経営者や成功者など、お金に好かれる方々とのお付き合いを深めるうちに「税金に興味がなければお金持ちには絶対になれない」と確信するに至りました。

 

経営者や成功者で、「税金に興味がない」と言う人なんて、まずいません。お金を正しく増やしていくには「賢く節税するにはどうすればよいか」という思考が欠かせないのです。

 

今はたとえお勤めをしているという方でも、経営者のような視点に立って「賢く節税する」という思考を身につけるようにしてください。

副業が節税につながる!? 「損益通算」の概要

お勤めの方が賢く節税したいという場合、「ビジネスを始める」という手段がまず考えられます。つまり副業です。

 

副業がなぜよいのか、真剣に考えたことがありますか? 「実際の収入が増える」ということがまずありますが、さまざまな支出が事業の経費として認められると、「個人の財布からの支出が極端に減る」ことになるからです。そして、「損益通算」が活用できます。

 

ここでは損益通算について説明しておきましょう。

 

副業をすると、毎年確定申告をする必要があります。正確に言うと、副業からの収入が20万円以下の場合、確定申告は不要です。

 

確定申告をするにあたり、副業でかかった経費を計上できる「損益通算」をすると、個人の所得は低く抑えられます。その結果「払いすぎていた税金」を取り戻すことができます。

 

ただし、あらゆるものが「経費」として計上できるわけではありません。業種によって、認められる範囲は大きく異なります。また収入の種類によっては損益通算ができない場合もあるので、ご自身の副業に応じて、事前に詳細を確認しておきましょう。

 

損益通算の仕組みは次の通りです。

 

Gさんには本業で500万円、副業で100万円の収入があったとします。通常、合計600万円がGさんの所得になるため、Gさんは600万円分の税金を納めなければなりません。けれども、副業で100万円の収入を得るため、経費として約150万円を使っていたとします。すると全体の所得から150万円分を経費として計上することができます。

 

つまりGさんの所得は450万円となり、450万円の所得に応じた税金を納めることになります。なぜ節税になるか理解してもらえたことでしょう。

 

細かいことを言うと、副業からの収入が「20万円以下」でも、確定申告をすることは可能です(「不要」という意味であり、「禁止」ではないからです)。

 

また、副業の「開業届」はしていなくても損益通算は可能です。開業届を出しておくと、たとえば「アフィリエイト」などをした場合は「事業収入」に計上することができます。ただし「青色申告」をしたい場合は開業届を出す必要があります(青色申告は、30万円までの経費をその年に計上できたり、65万円まで控除を受けられたりとメリットが多くあることで知られています)。

 

損益通算に興味を持たれた方は、まず領収書をもらう癖をつけておきましょう。

 

たとえ起業をするのはまだ先だとしても、経営者マインドを身につけてお金にモテていくためには、領収書を集めることが基本だからです。

 

<ポイント>

経営者になったつもりで、賢い節税を考える

本連載は、2017年1月10日刊行の書籍『お金にモテる独身女子50のルール』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

お金にモテる独身女子50のルール

お金にモテる独身女子50のルール

和田 勉

幻冬舎メディアコンサルティング

女性の社会進出が進む中、経済的に自立した生活を送りたいと願う女性が増えています。しかし、出産や子育てを伴う女性は昇給の機会も限られており、休職と復帰、離職と再就職を繰り返す女性も多く、思うように収入を増やせない…

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