前回は、ノルマのプレッシャーを抱える営業担当の苦悩を見ていきました。今回は、筆者がリフォーム業界で仕事を始めたきっかけについて紹介します。※本連載では、自社の営業担当者を「売れる営業マン」にするにはどうすればよいのか、具体的なノウハウとともに紹介します。

月収100万円の広告に誘われ、営業職に応募

私は学生の頃、あまり勉強が好きではなく、好き放題に遊んでいました。そのため、いざ社会に出て「働くぞ」と思ったはいいものの、就活するうえで自分には他の同年代と比べて学歴の面で大きなハンデがあることを思い知らされました。

 

過去を振り返っても取り戻せませんし、志望業界、職種にこだわりもなかったので、学歴面を考慮して採用してくれる会社ならどこでもいいと思っていたのです。そんな時期にあるリフォーム会社(のちに上場)の営業職募集広告を見ました。そこには学歴不問で、頑張ったら頑張っただけ歩合給がもらえるとの条件が明示されておりました。単純な私は、これなら自分にもチャンスがあると思い、即日面接に行きました。これが、以降この業界でずっと仕事をすることになったきっかけであり、営業の道に進んだ動機でもありました。

 

このように、私がリフォーム業界に入ったのは本当にたまたまなのです。偶然目に留まった某リフォーム会社の募集広告に「頑張れば月に100万円稼げる」と書かれており、100万円という想像もできない大金を夢見てわくわくする気持ちで面接を受けました。

 

面接では、1点だけ質問をしました。「どうして未経験者が100万円も稼げるのですか」と。当時面接をして頂いたK支店長は「一日300軒訪問すれば稼げますよ」と簡単に言いました。少し拍子抜けしましたが、やはり単純な私は、それならできると思ってしまったのです。「ぜひ採用してください」とお願いして面接は終わりました。

自分を全否定されるようで、自尊心がズタズタに…

面接結果は不採用でした。納得できなかった私はK支店長に頼み込んでもう一度会ってもらい、何とか入社が叶ったのです(後日聞いたところ、相当「生意気」な印象だったそうです)。

 

仕事は一般のご家庭への飛び込み営業でした。決められた地域の住まいを一軒一軒お伺いしてインターフォンを押し、出てもらえたらインターフォン越しに声をかけ、さらにリフォームに興味を持ってもらえたら玄関先まで入らせてもらい話をします。たいていは無視されるか居留守を使われるか、「今忙しいから」と一方的にインターフォンを切られておしまいです。邪険にされたり、いきなり怒られたりしたことも何度もあります。

 

実際に営業をやってみて、「これはしんどい仕事だ」と初日に思いました。自分の存在を全否定されているようで自尊心がズタズタになりましたが、たった一日で辞めるのではあまりにも情けないので、1カ月間ぐらいのうちに言い訳を考えて辞めようと思っていました。

 

募集広告を見たときのわくわく感なんて、一瞬でなくなってしまったのです。

本連載は、2016年10月28日刊行の書籍『見込みゼロ客をヘビーリピーターに変えるスゴい営業の仕組み』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

見込みゼロ客を ヘビーリピーターに変える スゴい営業の仕組み

武蔵原 一人

幻冬舎メディアコンサルティング

「受注が取れない」「売上も伸びない」「営業マンは辞めていくばかり」――負のサイクルを断ち切り、激化する顧客争奪戦を勝ち抜くカギとなる「見込みのない顧客をリピーターに変える仕組み」づくりを3ステップで徹底解説しま…

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