ビジネスプランと右脳&左脳の関係とは?
起業家のほとんどはビジネスアイデアが決まるとハートが熱くなり、同時に脳みそまで熱くなってしまう。そのため、ビジネスプランまで思い入れが熱くなったままで作り上げていくため、現実と乖離した偏ったビジネスプランになってしまう恐れがある。ビジネスプランは実現性を高めることであり、そのためには客観的な情報やデータを活用して分析や検証を繰り返していかなければならない。
ここで重要なことは、起業家にとって情熱と分析をバランスさせるという姿勢である。ビジネスプランにはサイエンス(論理)とアート(情熱・直感)の2つの要素が含まれているため、右脳(直感的思考)と左脳(分析的思考)の両方を機能させる必要がある。
私のSONYでの経験は、右脳である直感的思考であり、それだけでは最適な提案ができるマーケティングコンサルタントにはなれない、起業できないと考えた。そこで、ビジネススクールに入学した目的は、左脳である分析的思考を経営理論として理解することだった。
右脳と左脳をバランスさせることがコンサルタントには必要なスキルであり、最適なビジネスプランを立案するうえでもこの2つの思考で練り上げることが重要である。
【図表1】ビジネスプランを練り上げる姿勢
「熱い右脳」だけでは失敗する危険性がある
また、サンエコのビジネスプランづくりにおいても「すぐやる!」と即答したにもかかわらず、1年間という準備期間をもってプランづくりに没頭した。熱い右脳だけでは失敗する危険性があり、冷静な左脳を動かしながら熟考を重ねることでビジネスプランの完成度を高めることができる、と考えた。
特に、ビジネスプランを立案するうえで、理念やビジョンなどは熱い思いを表現しなければならないが、実現していくための戦略や仕組みは冷静な分析に基づいていなければならない。
起業とは大きなリスクへの挑戦である。そのため、ビジネスプランが重要であるわけだが、ビジネスプランは熱くなってもいけないし、冷めすぎてもよくない。だから、起業家に大切なのは、ウォームハートとクールヘッドを兼ね備え、ビジネスプラン上においてバランスさせることである。