今回は、ビジネスプランのクオリティを高める「練り上げる」プロセスについて見ていきます。※本連載では、OFFICE KOM株式会社代表取締役・収益向上プロデューサー 小室雄次氏の著書『事業に失敗しないための起業家宣言 「顧客ゼロから起業10年で売上高20億円」の起業戦略論』(こう書房)より一部を抜粋し、「地域密着」「顧客満足」「継続的事業」を軸に、太陽光発電事業で売上高20億円を達成した著者の経験に基づき、成功する「起業戦略」を紹介します。

「練り上げ」をしっかりしないと成功しない

ビジネスプランを立案する際は「練り上げる」という発想が重要である。ビジネスプランが「仮説」に過ぎないからだ。そのため、「仮説の設定→データや情報による検証→修正」を繰り返すことで、仮説として立案したプランのクオリティを高めることができる。

 

【図表1】ビジネスプランを練るプロセス

 

例えば、サンエコの場合は1年というプランづくりの期間を決めた。太陽光事業の知識や経験がなく、しかも高額で、工事が伴う事業などたくさんのハードルがあったからだ。そこで、時間的余裕を持ってプランづくりに取りかかる必要性を感じていた。同時に、プランの練り上げをしっかりしないと成功しないというリスクも感じていた。

 

そのため、プランを練り上げるたびにメーカーに相談したり、競合企業のショールームを訪問したりして情報を収集した。また、国家政策に影響する事業のため、国家事業の情報収集やセミナーなどに参加したり、すでに太陽光を設置しているお客様に会い、その満足度などをヒアリングしていった。それらの情報は仮説として立案したプランに落とし込み、プランの練り直しを繰り返していった。

机上の立案は早めに切り上げ、実行による検証・修正を

ビジネスプランを練り上げるにはさまざまな方法がある。例えば、以下のとおりである。

 

①新聞・雑誌・書籍・資料等の2次データを入手して市場状況を把握する

 

②アンケート調査によって顧客ニーズを把握する

 

③観察やヒアリングによって競合企業や業界情報を把握する

 

④関連業界での業務経験を活かす

 

⑤トライアルマーケティングを実施する

 

以上の方法から情報を得ることでビジネスプランを練り上げることができる。もっとも重要なことは実践における練り上げであるため、この点は次項で詳しく解説する。

 

ただし、机上で練りすぎると「頭でっかち」のプランになる恐れがある。ビジネスランの作業はエンドレスの作業であるので、机上の作業はどこかで区切りをつけ、実行による検証・修正をおこなうことである。すると、脳みそで想像していたビジネスと実際のビジネスとの間には大きなギャップが存在することが見えてくる。そのため、ビジネスプランを立案する期間でトライアル的な実務体験をおこなうことは有効的である。

本連載は、2017年2月4日刊行の書籍『事業に失敗しないための起業家宣言 「顧客ゼロから起業10年で売上高20億円」の起業戦略論』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

事業に失敗しないための 起業家宣言

事業に失敗しないための 起業家宣言

小室 雄次

こう書房

器づくりだけの起業プロセス・ノウハウではなく、実践から導き出した解決策とモチベーションの起業バイブル! 著者が起業したサンエコが太陽光事業に成功した秘訣は、「地域密着」「顧客満足」「継続的事業」。山あり谷ありの…

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