「練り上げ」をしっかりしないと成功しない
ビジネスプランを立案する際は「練り上げる」という発想が重要である。ビジネスプランが「仮説」に過ぎないからだ。そのため、「仮説の設定→データや情報による検証→修正」を繰り返すことで、仮説として立案したプランのクオリティを高めることができる。
【図表1】ビジネスプランを練るプロセス
例えば、サンエコの場合は1年というプランづくりの期間を決めた。太陽光事業の知識や経験がなく、しかも高額で、工事が伴う事業などたくさんのハードルがあったからだ。そこで、時間的余裕を持ってプランづくりに取りかかる必要性を感じていた。同時に、プランの練り上げをしっかりしないと成功しないというリスクも感じていた。
そのため、プランを練り上げるたびにメーカーに相談したり、競合企業のショールームを訪問したりして情報を収集した。また、国家政策に影響する事業のため、国家事業の情報収集やセミナーなどに参加したり、すでに太陽光を設置しているお客様に会い、その満足度などをヒアリングしていった。それらの情報は仮説として立案したプランに落とし込み、プランの練り直しを繰り返していった。
机上の立案は早めに切り上げ、実行による検証・修正を
ビジネスプランを練り上げるにはさまざまな方法がある。例えば、以下のとおりである。
①新聞・雑誌・書籍・資料等の2次データを入手して市場状況を把握する
②アンケート調査によって顧客ニーズを把握する
③観察やヒアリングによって競合企業や業界情報を把握する
④関連業界での業務経験を活かす
⑤トライアルマーケティングを実施する
以上の方法から情報を得ることでビジネスプランを練り上げることができる。もっとも重要なことは実践における練り上げであるため、この点は次項で詳しく解説する。
ただし、机上で練りすぎると「頭でっかち」のプランになる恐れがある。ビジネスランの作業はエンドレスの作業であるので、机上の作業はどこかで区切りをつけ、実行による検証・修正をおこなうことである。すると、脳みそで想像していたビジネスと実際のビジネスとの間には大きなギャップが存在することが見えてくる。そのため、ビジネスプランを立案する期間でトライアル的な実務体験をおこなうことは有効的である。