「当たるかわからないけれど」11月募集に夫婦が託した希望
洋子さんが調べたのは、過去の都営住宅の募集履歴を、所在地や築年数、応募倍率などの条件で検索できるウェブサイトでした。
千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区、豊島区といった都心部でも、築2001年以降の住宅や、過去の募集で倍率が20倍以下だった住宅を条件に探せます。
「都心の都営住宅は、どこも古くて倍率がものすごく高いと思っていたんです。でも、調べてみると住宅ごとに違うんですね」
もちろん、過去に倍率が低かった住宅が今回も募集されるとは限りません。募集戸数や応募者数によって倍率は変わり、当選が保証されるわけでもありません。
それでも夫婦にとっては、住まい探しの選択肢を広げるきっかけになりました。
東京都『令和8年11月都営住宅 入居者募集の概要』によると、今回の募集戸数は合計3,802戸。このうち一般募集住宅は3,050戸です。
募集案内の配布期間は11月2日から11日まで、オンライン・郵送による申込期限は11月17日。抽せんは12月23日に予定されています。
ただし、都営住宅には所得や居住状況などの申込資格があります。年金生活者であれば誰でも入居できるわけではなく、年金収入についても所定の方法で所得を計算し、世帯の状況に応じた基準を満たす必要があります。
信夫さん夫婦も募集案内を確認し、自分たちの所得や世帯状況が条件に合うかを調べました。
「家賃が安くなるのはありがたいけれど、まずは申し込めるかどうかですね」
総務省統計局『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果の概要』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、月平均の可処分所得が22万1,544円、消費支出が26万3,979円となっています。
平均でも毎月約4万2,000円の不足が生じており、年金生活で貯蓄を取り崩す世帯は珍しくありません。
信夫さん夫婦は、都営住宅への入居が実現すれば、家賃負担を抑え、その分を将来の医療費や介護費用に備えたいと考えています。
「今の家には愛着があります。でも、貯金が減っていくのを心配しながら暮らすのもつらいですから」
夫婦は今回の11月募集で、通院や買い物に不便がない住宅を中心に応募先を検討することにしました。
「当たるかどうかはわかりません。でも、何もしないまま10年たつより、今できることをしておきたいんです」
高齢期の住まい選びでは、家賃だけでなく、交通の便や医療機関へのアクセス、将来の身体状況も考慮する必要があります。公営住宅への入居を検討する際には、申込資格や募集条件を確認し、過去の応募状況も参考にしながら、無理なく暮らせる住まいを探すことが大切です。
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