(※写真はイメージです/PIXTA)

孫と過ごす時間を楽しみにしている祖父母にとって、家族の定期的な訪問は生活の張り合いになるものです。しかし子ども世帯にも仕事や学校、休日の予定があり、これまでと同じ頻度で会い続けることが難しくなる場合があります。何気ない予定の変更が、祖父母には思いがけない寂しさをもたらすこともあるようです。 ※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。

「また今度ね」が続く日曜日。冷蔵庫に残った孫の好物

それから、娘一家が訪れる回数は月に1回ほどになりました。

 

洋子さんが冷蔵庫を開けると、以前なら孫たちが食べていたプリンやゼリーが、手つかずのまま残っていました。

 

「買わなければいいだけなんです。でも、スーパーで見かけると、つい手が伸びてしまって」

 

ある週末、洋子さんは娘に「今度の日曜日、少しだけでも来られない?」と連絡しました。返事は「ごめんね、また今度ね」。

 

その短い言葉を見て、洋子さんは自分たちが思っていた以上に、孫との時間を楽しみにしていたのだと気づきました。

 

内閣府『令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査』によると、日常生活で家族や知人から頼られることとして「子や孫の世話」を挙げた人は26.0%でした。子や孫との関わりが、高齢者の日常生活の一部になっていることもうかがえます。

 

「孫の成長はうれしいんです。でも、毎週会えていた頃を思い出すと、やっぱり寂しくて」

 

昭夫さんも、孫と遊ぶために買ったボードゲームを片づけられずにいました。

 

そんな夫婦の様子を知った恵理さんが、ある日、家を訪ねてきました。

 

「お母さんたちが嫌になったわけじゃないよ。ただ、子どもたちも友達と遊びたいし、私たちも家でゆっくりしたい日があるの」

 

洋子さんはうなずきながら答えました。

 

「分かってるつもりだったの。でも、毎週会えるのが当たり前になっていたのね」

 

恵理さんは、月に1回は家族で訪ねる日を決め、それ以外にも予定が合えば顔を出すと提案してくれました。

 

「子どもたちも、おじいちゃんとおばあちゃんの家は好きだよ。今度は一緒にお菓子を作りたいって言ってた」

 

その言葉に、洋子さんはようやく笑顔を見せました。

 

今では、訪問する日が決まってから孫の好物を買うようにしています。

 

「この前もプリンを買ったんですけど、急に予定が変わってしまって。賞味期限が来たので、結局、主人と2人で食べました」

 

そう話して笑う洋子さんですが、孫用のゼリーが冷蔵庫に一つ残っています。

 

「次に来たときに食べられるかなと思うと、なかなか片づけられなくて」

 

子どもや孫の成長に伴い、家族が集まる頻度は変わっていきます。寂しさを感じたときには、その気持ちを伝えながら、互いの予定や生活を尊重できる会い方を考えることが大切でしょう。

 

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