●1982年以降、過去11回実施された米中間選挙とS&P500指数のアノマリーについて検証する。
●S&P500指数は平均的に選挙前3カ月で底堅く推移し、選挙後3カ月でより大きく上昇する傾向。
●中間選挙とS&P500指数のアノマリーはサンプル数の制約などもあり、参考程度とした方がよかろう。
1982年以降、過去11回実施された米中間選挙とS&P500指数のアノマリーについて検証する
米国では11月3日に中間選挙が行われます。そこで、今回のレポートでは、中間選挙と米国株の「アノマリー」について検証します。アノマリーとは、理論的には説明のつかない経験則のことですが、実際に過去のデータを用いて、中間選挙と株価に経験則的な動きがみられたのかを確認していきます。検証対象は、1982年から2022年までの期間で実施された過去11回の中間選挙とし、米国株はS&P500種株価指数を用います。
具体的には、中間選挙の3カ月前のS&P500指数の値を100とし、「中間選挙前の3カ月」と、「中間選挙後の3カ月」で、S&P500指数がどのように推移したのか、過去11回の中間選挙それぞれについて検証します。また、過去11回の平均的なS&P500指数の動きと、今年のS&P500指数の動き(中間選挙の3カ月前となる8月上旬から直近までの動き)も比較してみます。
S&P500指数は平均的に選挙前3カ月で底堅く推移し、選挙後3カ月でより大きく上昇する傾向
まず、中間選挙前の3カ月におけるS&P500指数の動きをみると、平均騰落率は+3.8%となり、過去11回のうち7回上昇、上昇確率は63.6%でした(図表1)。次に、中間選挙後の3カ月をみると、平均騰落率は+5.9%で、過去11回のうち9回上昇、上昇確率は81.8%となりました。つまり、S&P500指数は平均的に、中間選挙前の3カ月で底堅く推移し、中間選挙後の3カ月でより大きく上昇する傾向があるように見受けられます。
過去11回の平均的なS&P500指数の推移をグラフで示したものが図表2です。改めて中間選挙前の3カ月におけるS&P500指数の動きを確認すると、選挙の27日前までは軟調な推移が続き、選挙日に向けて持ち直す様子がうかがえます。そして、選挙後の3カ月で、より明確な上昇基調が確認されることを踏まえると、政局の不透明感は、選挙実施の約1カ月前から、ある程度市場で消化され始め、選挙後に一段と解消されていくと推測されます。
中間選挙とS&P500指数のアノマリーはサンプル数の制約などもあり、参考程度とした方がよかろう
図表2では、今年のS&P500指数の推移も示しています。期間は中間選挙の3カ月前にあたる8月3日から10月2日(中間選挙の32日前)までで、騰落率は+1.6%となっています。同期間における過去11回の平均騰落率は-1.1%なので、今年は過去平均を2.7%ポイント上回っていることになります。仮に、今年もアノマリー通りとなれば、11月3日の選挙に向けて持ち直し、選挙後、来年2月初旬にかけて上昇基調が続く展開が想定されます。
ただ、今回検証したアノマリーは、あくまで過去11回の中間選挙を対象としたものであり、サンプル数が非常に限られている点には注意が必要です。また、図表1で示した通り、2002年や2018年のように、中間選挙後の3カ月でS&P500指数の騰落率がマイナスになるケースもありました。そのため、中間選挙とS&P500指数のアノマリーについては、参考程度にとどめておく方がよいと思われます。
※当レポートの閲覧にあたっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『米中間選挙と米国株のアノマリー【三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】』を参照)。
市川 雅浩
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
チーフマーケットストラテジスト
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