(※写真はイメージです/PIXTA)

共働きの子ども夫婦を支えるため、孫の送迎や預かりを引き受ける祖父母もいます。孫と過ごせることをうれしく感じる一方、回数が増えれば、食事の準備や送迎など日々の負担も変わってきます。「困っているなら手伝おう」と孫を預かり始めた68歳夫婦も、いつしか自分たちの生活に無理が生じていることに気づきました。

「また3日か」と思ってしまい…娘に初めて伝えたこと

その数週間後、美咲さんからいつものように連絡がありました。

 

「来週なんだけど、火曜と木曜に加えて金曜日もお願いしていい?」

 

恵美子さんは、すぐに返事ができませんでした。これまでなら予定表を確認して、「いいよ」と答えていたはずです。

 

ところが、その日は「また3日か」と思ってしまったのです。

 

「孫が嫌なわけじゃないんですよ。それなのに、娘から連絡が来た瞬間に、疲れるなと思ってしまって。そんなふうに思った自分にもショックでした」

 

その日の夜、修さんに話すと、夫も同じように感じていました。

 

「俺も最近、木曜日になるとちょっと構えるんだよ」

 

夫婦はそこで初めて、孫を預かる頻度についてきちんと話し合いました。

 

2年前は「週2日なら大丈夫」だったものの、その間に自分たちも年齢を重ねています。さらに、孫が2人になれば食事や遊び方も変わり、預かる時間が長い日は負担も大きくなります。

 

一方で、娘夫婦にとっても、祖父母の協力は生活の一部になっていました。

 

「急に全部無理と言ったら、娘も困るだろうと思いました。でも、このまま何年も続けるのも違うよね、と夫と話したんです」

 

内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』では、子や孫の生活費を「負担していない」と答えた人が59.1%でした。裏を返せば、金銭面で何らかの負担をしている人も一定数います。ただし、同調査は孫の預かりなど時間的・身体的な負担を示すものではありません。家族への支援は、お金だけで測れるものではないでしょう。

 

夫婦は娘に、今後は毎週2日ではなく、原則として週1日だけなら預かれると伝えました。美咲さんは最初、「来月のシフト、どうしよう」と困った様子だったそうです。

 

それでも、夫婦が「体力的に前と同じようにはできなくなってきた」と説明すると、勤務先の制度を確認したり、夫婦で迎えを分担したりして調整することになりました。

 

「娘に悪いかなと思っていました。でも、私たちがずっとやる前提で考えていたら、いつか本当にできなくなったときのほうが困りますよね」

 

現在も恵美子さん夫婦は、週1回は孫を預かっています。その日は一緒に夕食を食べ、宿題を見たり、テレビを見たりします。

 

一方、空いた平日には、恵美子さんは以前休みがちになっていた友人とのウォーキングを再開。修さんも趣味の時間を持つようになりました。

 

「週1回になったら、孫が来る日をまた楽しみにできるようになったんです。前は『今週も2日ある』と予定を確認していましたから」

 

孫の世話を手伝うこと自体が負担になるとは限りません。しかし、始めた当時に無理なくできた頻度が、何年後も同じように続けられるとは限らないでしょう。

 

家族の助けを借りながら子育てをする場合も、「これまでできていたから」と同じ役割を固定するのではなく、祖父母の体力や予定も含めて、ときどき分担を見直すことが必要です。長く助け合っていくためにも、その時点で無理なく続けられる範囲を共有しておくことが大切でしょう。

 

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