(※写真はイメージです/PIXTA)

仕事を辞めた後、「これまでできなかったことを始めたい」と考える人もいるでしょう。時間に余裕ができれば、趣味や習い事を楽しむ機会も増えます。一方、年金中心の生活では、現役時代とはお金の使い方も変わります。退職を機に念願の習い事を始めた70歳女性も、1年後、その続け方を考え直すことになりました。

通帳を見て考え直した趣味へのお金

総務省『家計調査報告〔家計収支編〕2025年平均結果』によると、65歳以上の単身無職世帯では、実収入が月平均13万1,456円、可処分所得が11万8,465円なのに対し、消費支出は14万8,445円でした。

 

和子さんの場合、年金は月19万円あります。

 

それでも管理費や修繕積立金、固定資産税、食費、光熱費などを支払い、さらに旅行や友人との付き合いにもお金を使えば、19万円がそのまま余るわけではありません。

 

「貯金が1,600万円あるんだから、年間50万円くらい使ってもすぐ困るわけじゃない。でも、これを10年続けたら500万円でしょう。そう考えたら、急に大きく感じたんです」

 

もちろん、毎年同じだけの費用が発生するとは限りません。それでも和子さんは、趣味に使う金額を一度整理することにしました。

 

内閣府『令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査』では、今後優先的にお金を使いたいものとして「趣味やレジャー(旅行等)の費用」を挙げた人は32.4%でした。一方、「自分や配偶者あるいはパートナーの医療・介護の費用」は47.5%となっています。高齢期には現在の楽しみと、今後必要になる可能性がある支出の双方を考える必要があります。

 

和子さんは教室を辞めることにしました。ただし、ダンスそのものをやめたわけではありません。

 

現在通っているのは、地域で開かれている初心者向けのダンス講座です。以前の教室ほど細かな指導は受けられませんが、月数千円程度で参加できます。

 

発表会を目標にするのではなく、音楽に合わせて体を動かし、参加者と話して帰ってくる。それでも十分楽しいことに気づいたそうです。

 

「前の教室が高すぎたとは思っていません。本格的にやりたい人なら、それだけのお金をかける価値もあると思います。でも私は、そこまで上達することより、週に一度楽しく踊れればよかったんですよね」

 

辞めてから初めて、「ダンスを続けたい」のか、「その教室で本格的に習いたい」のかは別だったと分かったといいます。

 

習い事にかける金額に、誰にでも当てはまる基準はありません。十分な資産があり、趣味を優先したいのであれば、まとまった金額を使う選択もあるでしょう。

 

ただ、月謝だけを見て始めても、道具代や交通費、発表会、追加レッスンなどが加わることがあります。退職後に新しい趣味を始める際は、毎月の料金だけでなく、1年間でどの程度の支出になりそうかを確認したうえで、自分がその趣味に求めるものと費用が合っているかを考えることも大切です。

 

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