(※写真はイメージです/PIXTA)

一人暮らしに慣れ、自分なりの生活リズムを築いていても、ふと寂しさを感じることはあります。普段は顔を合わせる人がいる環境でも、休日には周囲の過ごし方が変わり、一人でいることを意識する場合もあるでしょう。シニア向けマンションでの暮らしに満足していた80歳男性も、ある休日をきっかけに、それまで意識していなかった寂しさに気づいたといいます。

連休をきっかけに変えた過ごし方

連休2日目、和夫さんは近所の喫茶店へ出かけました。

 

店内には親子連れや夫婦の姿が目立ちます。帰りに立ち寄ったスーパーでも、普段より家族で買い物をしている人が多く見えたといいます。

 

自宅に戻ると、長男からスマートフォンに写真が届いていました。孫たちが食事をしている写真でした。

 

「楽しそうだなと思いましたよ。それと同時に、自分は今日、誰ともまともに話していないなって」

 

その夜テレビを見ていたとき、不意に涙が出たそうです。ただ、和夫さんは「子どもたちにもっと来てほしい」とは考えませんでした。

 

「子どもには子どもの家庭がありますから。毎回、私の予定を優先してほしいとは思いません。でも、自分は普段、マンションの人たちとの付き合いにかなり助けられていたんだと分かりました」

 

内閣府『令和6年版高齢社会白書』では、『令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査』をもとに、高齢者では前回調査と比べて親しい友人・仲間がいる人の割合や、毎日人と話す人の割合が低下し、特に一人暮らしでその傾向が顕著だったとしています。

 

次の連休を迎える前、和夫さんは囲碁仲間に「今度の休み、残っている人で昼飯でも食べませんか」と声をかけました。

 

集まったのは3人だけ。それでも近所のそば店へ行き、午後はマンションに戻って囲碁を打ちました。

 

「家族と過ごす人もいれば、一人でいる人もいる。だったら、一人同士で集まればいい。最初の連休では、そこまで頭が回りませんでした」

 

今では大型連休が近づくと、館内で予定を聞き合うようになったそうです。子どもたちとも「連休だから会う」と決めるのではなく、お互いの都合が合う別の週末に食事をしています。

 

一人で暮らしているからといって、常に寂しさを感じるわけではありません。反対に、普段は問題なく生活していても、周囲の人が家族との予定を優先する時期には、日常との落差を感じることがあります。

 

そうした時間を家族だけで埋めようとするのではなく、友人や近隣の人との予定をつくったり、趣味や外出の機会を持ったりする方法もあります。住まいを整えるだけでなく、普段の交流が途切れる時期をどう過ごすかまで考えておくことも、一人暮らしを続けるうえでの備えの一つといえるでしょう。

 

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