胃や小腸で分解されず、大腸まで届く「オリゴ糖」
私たちが普段口にする糖類には、砂糖や、果物に多く含まれている果糖、牛乳に多い乳糖など様々な種類があります。多くの糖は、口から入って胃や小腸で分解吸収されますが、実は、オリゴ糖は少し違います。そしてその違いが、腸へのメリットとなっています。
オリゴ糖のオリゴとは少ないという意味のギリシャ語由来で、別名少糖類ともいいます。分子構造的に最も小さい糖を単糖といい、ブドウ糖や果糖がそれに当たりますが、オリゴ糖は、単糖が3~10個程度結びついた構造を持っています。その特徴として、人の胃や小腸では分解されず、大腸まで届くことがわかっています。
そして大腸内で、善玉菌の一つであるビフィズス菌の栄養源となり、そこで分解されるのです。そのためオリゴ糖は腸内細菌の「えさ」(プレバイオティクス)となり、腸内環境を良くするとして知られています。
今は、粉末やシロップ状のオリゴ糖をスーパーなどで手軽に買うことができます。砂糖の代わりにコーヒーなどに入れたり、料理に使ったりする人も多いようです。確かに、直接なめてみると、砂糖ほど強くはないものの、代わりになるだけの十分な甘みがあります。
市販のオリゴ糖の多くは、甘味料が添加されている
ところが実は、本来のオリゴ糖にはほとんど味がないのです。市販されているシロップ状のオリゴ糖には、実は天然、人工問わず別の甘味料が添加されているものが少なくありません。そのため、腸に良かれと摂りすぎると、糖分の摂りすぎになりかねないのです。
摂った分がすべてオリゴ糖、というわけではないので、利用する際には添加物に気をつける必要があるということです。もちろん、それに注意していれば、摂ること自体は悪いことではありません。
なお、オリゴ糖は普段食べている野菜の中にも、豊富に含まれているものがあるのを知っていますか? 例えば玉ねぎ、ごぼう、じゃがいも、トウモロコシ、大豆などがあります。食物繊維とともにオリゴ糖もとれて一石二鳥です。