2週間休んで給与が減少…計算した「働けなくなった後」の家計
風邪をこじらせた明美さんは、2週間ほど仕事を休みました。翌月の給与は、いつもより大幅に少ない金額でした。通帳を見たとき、思わず「こんなに違うんだ」と声が出たといいます。
その月には固定資産税の支払いも重なりました。さらに、古くなっていた電子レンジを買い替えたため、久しぶりに貯蓄からまとまったお金を取り崩しました。
「仕事を休めば給料が減る。当たり前なんですけど、それまで月5万円が入ってくる前提で生活していたんですよね」
そこで初めて、「あと何年働けるのか」を具体的に考えました。
68歳の今は、週3日、1日4時間なら働けます。しかし、70代になっても同じように体を動かせる保証はありません。
厚生労働省の令和7年「高年齢者雇用状況等報告」では、従業員21人以上の企業のうち、70歳までの就業確保措置を実施済みの企業は34.8%でした。高齢者が働き続けられる環境は広がっていますが、制度上働けることと、本人が同じ仕事を続けられることは別の問題です。
明美さんは仕事を辞めるのではなく、まず「働けなくなったとき」の家計を見直すことにしました。
通信契約を変更し、ほとんど利用していなかったサービスを解約。年金だけになった場合、毎月どのくらい不足するのかも計算しました。
一方、友人とのランチや美容院まで、今からすべて削るつもりはありません。
「働ける今は働いて、その分は少し楽しみに使ってもいいでしょう」
現在も明美さんは、週3日の清掃を続けています。
朝が早い日はつらく、仕事が終われば疲れます。それでも午後は自由に使えるため、今の勤務日数を増やすつもりもありません。
「月10万円稼ごうとは思わないんです。5万円くらいだから、今の私には続けられるんですよ」
年金だけでは足りないからと、無理に長時間働けば、いつか体力が追いつかなくなるかもしれません。
明美さんにとって月5万円は、単なる「お小遣い」ではありません。600万円の貯蓄を急いで取り崩さず、それでも今の生活を必要以上に切り詰めないための、大切な収入になっています。
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