仕送りは当たり前の「毎月の定期収入」ではない
総務省『令和6年全国家計構造調査』によると、75歳以上の高齢無職単身世帯の可処分所得は14万5,146円です。静江さんは73歳なので単純比較はできませんが、月9万円の年金だけで生活するのが容易ではないことは想像できます。
預貯金は約300万円ありました。ただし、夫を亡くしたあとに残ったこのお金は、「もしものときの介護費や葬儀費用」と考え、できるだけ手をつけないようにしていました。
「最初は、本当に生活のために使っていました。でも、毎月決まった日に5万円が振り込まれるのが当たり前になって。孫へのプレゼントも、自分自身の貯金から出したような感覚になっていました」
しかし、送ってくれていた5万円は、生活を維持するために必要だろうと、正さんが自分の家計から捻出してくれていたお金です。
「息子にとっては、自分のために使ったり貯金したかったお金。それなのに……。本当に申し訳なくて。勘違いしてしまったことを、誠心誠意謝りました」
正さんも、謝罪を受けて冷静になったのでしょう。仕送りは停止ではなく月3万円に減額。足りなくなった場合は、その都度相談することになりました。
仕送りを受ける側は、毎月決まった金額が入ってくることで、それがいつしか自分のお金のように感じられてしまうことがあるのかもしれません。しかし、送る側にとっては、自分の家計から捻出している大切なお金です。
仕送りを始める段階で「何のためのお金なのか」を共有し、受け取る側も、それが決して当然にもらえるお金ではないことを忘れないことが大切でしょう。
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