(※写真はイメージです/PIXTA)

NISAや積立投資の普及により、いつ利益を確定させ現金化するのかという「出口戦略(エグジット)」が注目を集めています。しかし、企業を深く観察し、じっくりと時間をかけて選び取る「のろまな投資」において、焦って出口を探す必要はないと著者は語ります。本記事では、リチャード・ケイ氏の著書『日本株を買う外国人 外国株を買う日本人』(星海社)より一部を抜粋・再編集し、お金で測れない「非財務資産」の価値と、投資における「出口戦略」のあり方について解説します。

投資に「完成」を求めるのをやめ、「未完成」を楽しむ

多くの人が、資産形成ではゴールすなわち「完成」を目指しているように私には思えます。しかし、のろまな投資家にしてみると、完成予想図通りに最短で完成させることに関心はありません。

 

そもそも完成予想図など持っていません。自分の目で、耳で触れた、感じたことから得た納得という名の石を自分で加工しながら一つずつ積み上げていく、その「建築プロセス」「未完成であること」を楽しんでいる、それがのろまな投資家です。

 

財務諸表に載せられた数字(財務資産)が「過去の記録」であるのに対し、あなたが積み上げる『非財務資産』は、常に脈動し、変化し続ける「現在進行形の生命力」です。投資に「完成」を求めるのをやめ、自分自身が「未完成」であることを受けいれられたとき、私たちは初めて、他人の時計に振り回されない真の自由を手にします。

 

私たちが投資する対象、「企業」もまた完成品ではありません。社会の課題と正面から向き合いながら、日々形を変え、成長し続ける「未完成な生命体」です。

 

企業が価値を生み出し続けるのは、常に「今よりも良い社会をつくりたい」「この課題を解決したい」という、未完成ながらも、変化を受け入れ向き合い続ける情熱が常にそこにあるからです。

 

その終わりのないプロセス(ゴーイング・コンサーン)を、自らの資産の中に取り込んでいること。これこそが、株式投資の本質を示しているようにさえ思えるのです。

次ページのろまな投資家が「出口戦略」を探さない理由

※本連載は、リチャード・ケイ氏の著書『日本株を買う外国人 外国株を買う日本人』(星海社)より一部を抜粋・再編集したものです。

日本株を買う外国人 外国株を買う日本人

日本株を買う外国人 外国株を買う日本人

リチャード・ケイ

星海社

日本株、誰が買っているのか、何が評価されているのか ソニーグループ、任天堂、日立製作所。これらの企業の株主の過半を占めている外国人投資家のプレゼンスは高まるばかり。彼らの積極的な「買い」を追い風に、2026年6月…

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