どんな条件でも有休取得を認めないといけない「わけではない」
これだけ見ると有給休暇申請があった場合、どんな条件でも認めなければならないような印象を受けるかと思います。実際に有給休暇取得には会社の承認は不要ともされています。しかし、会社側の権利もあるのです。
「繁忙期に複数社員の休暇が重なった」
「代替要員の確保がどうしても難しい」
「休暇申請があまりにも直前すぎる」
など、事業の正常な運営を妨げる場合は、別の日に有給休暇を変更できる「時季変更権」というものがあります。
ただし、これは有給休暇の取得自体を拒否できるわけではなく、あくまで別の日に変更するに過ぎません。加えて、会社側が代替要員の確保をはじめとする十分な措置を取ったうえで、それでもなお業務に支障をきたす場合に限られます。
この業務調整のことを考慮し、就業規則において「〇日前までに申請する」というルールを定めることは可能です。ただし、取得が実質不可能になるような規定は認められません。
また、有給休暇が取得できるのは出勤日に該当する日のみです。月水金の週3日というシフトのパート社員がいたとします。退職前に有給休暇を使い切ろうと火曜や木曜に取得しようとしてもそれは通りません。月水金の通常のシフト日のみとなります。
不安な場合は専門家に相談
以上、有給休暇について触れてきましたが、先の就業規則のメンテナンスや、作成が義務とされている年次有給休暇管理簿といった実務面で重要な事項もあります。
総務部にそれなりのリソースが割けている、勤務社労士がいる一定規模の企業であれば特に問題ないかもしれませんが、中小企業の経営者の方ですとなかなか手が回らないケースも見受けられます。
社労士の顧問契約は社員数にもよりますが、基本的に社員1~2名分の月給程度で1年間、これらの業務を任せることが可能です。ハラスメントの外部窓口などでも需要が増している中ですので、専門家にもご相談されることをおすすめします。
遠藤 和成
牛町社会保険労務士事務所
代表社会保険労務士
