社長「アルバイトなんだから有休なんて取れないよ」知らずに禁止すると違法になる〈パート・アルバイトの有給休暇〉【社労士が解説】

社長「アルバイトなんだから有休なんて取れないよ」知らずに禁止すると違法になる〈パート・アルバイトの有給休暇〉【社労士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

有給休暇の取得率は年々上昇傾向にあり、2025年12月に公表された「令和7年就労条件総合調査」では66.9%と過去最高を記録しています。政府も2028年までに7割という目標を掲げており、更なる促進が図られています。このような状況を受けて、有給休暇についての相談が増えています。なかでも注意すべきなのが、パート・アルバイトの有給休暇です。小規模法人や家族経営の経営労務支援に強い、社労士の遠藤和成氏が解説します。

働き方改革で有休取得率が過去最高に

かつて5割程度で推移していた年次有給休暇(以下有給休暇)の取得率ですが、近年は上昇を続け、2023年の「令和5年就労条件総合調査」で初めて6割を超えました。2025年12月に公表された令和7年の同調査では66.9%と過去最高を記録しています。

 

この背景には2019年4月施行の働き方改革関連法があります。ここで年10日以上の有給休暇が付与される労働者(管理職含む)については、使用者に労働者の希望を踏まえて時季を指定し、年5日の確実な取得をさせることが義務付けられました。

 

政府も「2028年までに7割」という目標を掲げており、有給取得の更なる促進が図られています。

 

パートやアルバイトでも有休の取得権利がある

こうした風潮もあり、有給休暇に関する相談が増えています。その中でも注意してほしいのが、パート・アルバイトの有給休暇についてです。

 

昭和・平成の時代に働いてきた方ですと、「パートやアルバイトで有給休暇を申請するなんて……」と思ってしまうことがあるかもしれません。しかし、有給休暇は雇用形態にかかわらず発生します。つまり、パートやアルバイト、その他異なる名称で同様の雇用形態であっても有給休暇の取得権利があるのです。

 

有給休暇の発生要件

有給休暇の取得権利は、雇用関係にあることを大前提として、以下の条件を満たせば発生します。

①    その会社に6カ月以上継続勤務していること
②    その間の全労働日(シフトにあたる日)の8割以上出勤していること

 

取得日数は、正社員(週5日以上or週30時間以上勤務は同様)の場合で以下のとおりです。

【表1】正社員の有休付与日数

 

有給休暇の権利は2年間有効です。発生年度に使用しなかった場合は翌年度まで繰り越しとなります。

 

一方、パートなどで週の勤務日数が少ない場合は「比例付与」という形になります。計算方法は以下のとおりです。


「通常の労働者の付与日数 × その従業員の週所定労働日数 ÷ 5.2(厚生労働省令で定められた週平均所定労働日数)」

※1未満の端数は切り捨てとなります。

 

たとえば、6か月勤務の正社員の有給休暇、つまり通常の労働者の付与日数は10日です。

 

それに対して、パートで週3日・6時間勤務のシフトで入社から半年間休まず継続勤務をした場合は、6か月継続勤務で5日の有給休暇を取得する権利が発生します。計算式は以下のとおりです。

10日(通常の労働者の付与日数)×3日(その従業員の所定労働日数)÷ 5.2(厚生労働省令で定められた週平均所定労働日数)=5.7日(小数点以下は切り捨て処理)

 

以下の表のように、週1日しか出勤しないアルバイトであっても6か月で1日の有給休暇が付与されます。

【表2】パート・アルバイトの有休付与日数
【表2】パート・アルバイトの有休付与日数
 

なお、週4日勤務の最初の6か月は出勤率8割であったものの、次の1年6か月までの期間には8割を下回った場合は6か月から1年6か月の期間分の有給休暇は発生しません。ただし、次の2年6か月までの1年間で出勤率が8割以上だった場合は勤続2年6か月に対応する9日が付与されます。

 

ちなみに、有給休暇を取得した日は出勤率の計算においては「出勤した日とみなす」とされます。欠勤扱いにはできません。

次ページ有休の付与日数は「週の出勤日数」によって変わる

※プライバシーに配慮するため、登場人物の情報に一部変更を加えています。

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧