有休の付与日数は「週の出勤日数」によって変わる
ここで注意してほしいのが、有給休暇の付与日数が「週の出勤日数」によって変動することです。出勤日数は、1日1時間勤務の場合も1日8時間勤務の場合も「1日」とカウントされます。
たとえば、週3日各6時間勤務のパートAと週3日各2時間勤務のパートBという2パターンの労働者がいたとします。これはどちらも週3日勤務として有給休暇の日数は同じになります。
ただし、同じ1日の有給休暇をとっても両者では違いがあります。パートの有給休暇の日の給与は普通に働いたと仮定した場合の金額となるのが一般的です。先の2名がともに時給1,500円だとしたら、以下のようになります。
・パートB→3,000円
月給制採用で有給休暇を取得しても月額が変わらない、平均賃金から計算するといった方法もありますが、どの形をとるかは就業規則(賃金規定など)に定めておく必要があります(※健康保険法による標準報酬日額を使用する場合には労使協定が必要)。
出勤していなくても、労働日に計上されるケースがある
労働日は労働条件通知書などで決まっていると思われますが、それ以外の面でも注意が必要です。事実上労働したと同等にみなされる場合は労働日に計上される可能性があります。
出勤日や労働時間の定義は「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」です。これは客観的に判断され、直接的な指示がある状態に限りません。会社の慣行で始業前の準備や朝礼に参加が義務付けられているというような暗黙の了解的なものであっても該当します。
こちらも例を出せば、「業務に入りやすくするため出勤日前に出勤日でなくとも必ずメールチェックをしてほしい、これは全社員が必ずやっている」などと半強制的な自主活動を要求した場合、実態として労働日とみなされうるということです。
たとえそのメールチェックが10分程度であっても1日とカウントされ、有給休暇の付与日数に影響が出ます。
「有給休暇はありません」は違法
求人や労働条件通知書で「有給休暇はありません」という記載を目にすることがあります。これは当然ながら通用しません。
労働基準法第13条では「労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定めた労働契約はその部分が無効となり、無効となった部分には労働基準法の基準が適用される」と定められています。
そのため、仮に労働者が合意の署名をしていたとしても有給休暇がないとする部分は無効となり、労働日と出勤率に応じた有給休暇の権利が発生することになります。なので、アルバイト募集だから有給休暇はなしで、という形にして合意のもと採用したとしても、申請された場合は拒むことはできません。
こうした有給休暇関連ですが、使用者が対策を怠ると罰則が適用される可能性があります。具体的なものとしては以下が挙げられます。
→該当労働者1名につき30万円以下の罰金(労働基準法第39条7項違反)
② 労働者の請求する時季に有給休暇を与えなかった場合
→6か月以下の懲役または30万円以下の罰金(労働基準法第39条5項違反)
③ 使用者による時季指定を行う場合において、就業規則に規定がない場合
→30万円以下の罰金(労働基準法第89条違反)
特に就業規則についてはアップデートがされていないケースも多々あるようなので、再度確認していただくか、社労士にメンテナンスを依頼することを推奨します。
また、就業規則は常時雇用10人未満の事業所では作成・届出義務はありませんが、先の時季指定の方法のほかにも賃金その他の事項でトラブルを防ぐため作成しておくのが無難です。
