一元化=共済組合の廃止ではない
国家公務員や地方公務員、私立学校の教職員が加入しているのが共済組合です。共済組合ができる以前は、公務員は恩給制度でしたが、私立学校の教職員は厚生年金に加入していました。
なお今回の一元化(平成27年10月1日)は、「公共企業体職員等共済組合(JR・JT・NTT)」「農林漁業団体職員共済組合(JA等)」が厚生年金に統合されたのとは違い、共済年金制度を厚生年金制度に変えただけですので、共済組合の組織を廃止するわけではありません。
一元化後の厚生年金法では、各共済組合は厚生年金制度を実施する実施機関に位置づけられていて、厚生年金法に規定された業務を執り行うことになっています。
また、各共済組合は、長期給付(年金事業)だけでなく、短期給付(医療保険。私立学校教職員共済組合を除く)や福祉事業(健康増進事業等)も行っています。
一元化後も各共済組合は厚生年金制度を実施する実施機関に位置づけられていますので、廃止されることなく存続しています。
平成27年10月からは第2号~第4号厚生年金被保険者に
以下には、各共済組合の概要を記します。
国家公務員共済組合
〔施行日〕昭和34年1月1日・昭和34年10月1日(非現業)
〔加入者数〕約105万人 〔組合数〕20
国家公務員が加入をします。
平成27年10月からは厚生年金に一元化され「第2号厚生年金被保険者」と呼ばれています。
地方公務員等共済組合
〔施行日〕昭和37年12月1日 〔加入者数〕約280万人 〔組合数〕64
地方公務員等が加入をします。
平成27年10月からは厚生年金に一元化され「第3号厚生年金被保険者」と呼ばれています。
私立学校教職員共済組合(日本私立学校振興・共済事業団)
〔施行日〕昭和29年1月1日 〔加入者数〕約50万人
私立学校の教職員が加入をします。
平成27年10月からは厚生年金に一元化され「第4号厚生年金被保険者」と呼ばれています。
厚生年金(※参考)
〔施行日〕昭和17年6月1日 〔加入者数〕約3700万人
民間会社に勤めるサラリーマンやOL等が加入をします。
平成27年10月からは一元化により厚生年金の種別が4つに分かれ「第1号厚生年金被保険者」と呼ばれています。