要介護3以上の高齢者からとされた「特養」
介護保険施設には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設の3つのタイプの施設があり、それぞれ特色が異なります。
1 介護老人福祉施設
一般的に「特別養護老人ホーム」(特養)といわれているのが「介護老人福祉施設」です。
入居する要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、入浴、排せつ、食事等の身体介護その他日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行うことを目的とする施設です。
「特別養護老人ホーム」は、申込みをしても何年も待たないと入所できない状況が続いています。そこで、厚生労働省は、特別養護老人ホームの入所基準を厳しくする方針を固め、入所できるのは原則として、手厚い介護が必要で自宅では負担が重い「要介護3」以上の高齢者からとすることとして、介護保険法を改正、平成27年4月1日から実施されています。
なお、すでに入所している方は、そのまま入所していることができます。
介護保険財政の逼迫の影響で…
2 介護老人保健施設(老健)
「介護老人保健施設」とは、要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理のもとにおける介護および機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設です。
施設サービスの利用料は、要介護度や「従来型個室」「多床室(たしょうしつ)」「ユニット型個室」「ユニット型準個室」等の居室タイプによって異なります。また、施設の体制によって「看護体制加算」「日常生活継続支援加算」「看取り介護加算」などの加算料金が設定されている場合があります。食費は、利用料とは別に利用者の自己負担となります。
3 介護療養型医療施設
この、「介護療養型医療施設(かいごりょうようがたいりょうしせつ)」は、他の施設と比較し、医療・看護の体制が最も整っており、医療を受けながら介護や機能訓練が行われ、長期入院が可能です。ただ、介護保険の財政が逼迫(ひっぱく)していることから、平成30年3月31日までに廃止されることとなっています。
けれど今までも、廃止の予定があったものの、その受け皿が無い等の問題もあり、廃止の時期が度々延期されてきました。今回も、老健への転換の方針があるのですが、医療ニーズを伴う要介護者が増加してきている状況下、廃止を延期すべきという意見があり、延期される可能性が大きいのが現状です。