金利1%上昇で返済額はどう変わるか
なぜ「8,000万円」が限界なのか。住宅金融支援機構『2023年度フラット35利用者調査』によると、首都圏における中古マンション購入者の平均世帯年収は691万円。年収倍率は平均6.0倍です。
多くの実需世帯が年収の6倍から7倍程度の資金調達を行っている実態が分かります。世帯年収1,000万円のパワーカップルであっても、借入上限は8,000万円前後が現実的なラインです。
ここに金利上昇が追い打ちをかけます。たとえば8,000万円を35年返済、元利均等で借り入れるとします。変動金利が0.5%から1.5%へと1%上昇した場合、毎月の返済額は約20.7万円から24.5万円へと、月々4万円近く増加します。
それ以上に深刻なのが、金融機関の審査金利の上昇。これにより、同じ年収であっても借入可能額そのものが1割近く減る可能性があります。借入可能額が8,000万円から7,200万円へと減少する影響は甚大です。
これまでの市場は「いくらで売れるか」という売り手主導で価格が上がってきました。しかし現在は「購入者がいくらなら買えるか」という視点へ移行しています。
都心5区では富裕層による買い支えで価格が維持される一方、一般の購入者との乖離が拡大。都心5区以外では、すでに価格を下げて予算に合わせる動きが強まっています。
今後のマンション市場を見るうえでは、平均価格だけでなく、値下げ率や販売日数、購入者が集中する価格帯を見極めることが重要です。
金利と所得のバランスが崩れた今、市場は緩やかな調整期に入りました。「買える価格」へのシフトを捉えることが、これからの物件選びで欠かせない視点となります。
[参考資料]
マンションリサーチ株式会社『東京都23区の中古マンション、流動性低下が鮮明に 価格高騰と金利上昇で「買える価格」に変化』
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