(※写真はイメージです/PIXTA)

「有事の金」という言葉があるように、金(ゴールド)相場は社会不安が高まる局面で買われやすい性質を持っています。その金相場の長期的な上昇トレンドを読み解くうえで、見過ごせないキーワードが「2010年ごろ」です。この年を境に世界で爆発的に普及した「あるもの」が、非伝統的な有事の拡大と中央銀行による金買いの増加という、二つの潮流の遠因になっていると筆者は考えています。

民主主義を後退させたスマートフォン

そして、スマートフォンがもたらし続ける悪い面である、依存、ウソや一方的な言論、増幅した感情、対立、待てない気質、見たくないものに蓋をする傾向などは、民主主義の要素を含んでいるとは言えません。

 

民主主義とは、異なる考え方を持つ人や組織と、ルールに則り、時間をかけて冷静に意見を交わし、妥協点を見出すことだからです。スマートフォンはある意味、民主主義を後退させるツールだと言えるかもしれません。

 

そのことを裏付けるかのように、「自由民主主義指数」(スウェーデンのV-Dem研究所が試算・公表)の世界平均は、2010年ごろから低下し始めています。このことは、世界で非伝統的な有事が拡大しはじめたことを、補足する重要なデータだと言えます。

 

そして中央銀行全体としての金(ゴールド)買い越しが目立ち始めたタイミングが、やはりあの2010年だったことも、金(ゴールド)相場を分析するうえで、重要な意味を持っていると言えます。

 

吉田 哲
楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト

 

 

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