スマートフォンがもたらした「良い面」
スマートフォンの保有が当たり前になったことで、何が起きたでしょうか。良かったことについては、①情報へのアクセスが容易になった、②コミュニケーションが容易になった、③生活の利便性が向上した、④個人の情報の発信力が向上した、⑤時間・場所の制約が低下した、などが挙げられます。
スマートフォンは「いつでも、どこでも、誰でも、簡単に」を実現してくれる、人類になくてはならないツールとして、定着したと言えます。単なる「便利な電話」ではなく、人類の情報取得・意思決定・感情表現の速度を大幅に上げたツールだとも言えます。
その裏側にある「悪い面」
一方で、悪かったこともあります。①情報過多・依存が目立つようになった、②誤情報・偽情報が拡散するようになった、③感情が増幅されやすくなった、④「見たいものだけを見る」傾向が強まった、⑤「待つ・考える・味わう」時間が減った、⑥公私の境目が曖昧になった、⑦情報の消費物化が促進された、などが挙げられます。
情報を得やすくしたことは情報過多や依存を生み、情報発信を民主化したことは世のなかに出回るウソや一方的な言論を増やし、人をつないだことは感情の噴出や対立を増やし、時間を節約したことは待てない気質を大きくし、選択肢を増やしたことは見たくないものに蓋をする傾向を目立たせるきっかけになったと言えます。
スマートフォンの「いつでも、どこでも、誰でも、簡単に」という良い面が、かえって悪い面を生んでしまったと言えます。つまり、世界全体で、スマートフォンの爆発的な普及とともに、2010年ごろから爆発的に、スマートフォンがもたらす悪い面が世界に普及したと言えます。
近年、主要国でようやく法改正などのルール整備によって、スマートフォンの使用やコンテンツを作成・配信する側の活動を抑制する動きが出始めていますが、スマートフォンの「いつでも、どこでも、誰でも、簡単に」という特徴が人類に強くなじむため、抑制する動きは限定的にならざるをえません。
