「また一緒に暮らそう」母が思わず口にした言葉
娘が一人暮らしを始めて2ヵ月ほどたったころ、美津子さんは電話で「もう帰ってこない? また一緒に暮らしましょうよ」 と、つい口にしてしまいました。しかし真紀さんの返答は期待したものではありませんでした。
「お母さん、ありがとう。でも、もう帰らないよ」
一人暮らしを始めてみて初めて、自分が実家で親に支えられていた部分に気づいたといいます。
「実家にいたときは、自分は十分自立していると思っていたの。でも、一人で暮らしてみて初めて、生活を全部自分で成り立たせる大変さがわかってきたよ」
そう話す娘に、美津子さんはこれまでの生活はもう戻ってこないと、ようやく実感したといいます。
美津子さんは、娘が戻ってこないことを前提に生活を立て直すことにしました。まずは、通信費や保険、自動車関連費用など、毎月出ていく固定費を見直し。食費も、買い物の回数を減らし、冷蔵庫の食材を使い切ることを意識するように。
これまで家事をほとんどしてこなかった隆夫さんにも、ゴミ出しや風呂掃除、洗濯などを担当してもらうと決めました。
「変わらないといけない。私たちこそ“娘から自立しなきゃいけない”と思ったんです。今は、時々娘と待ち合わせをして出かけるのを楽しみにしています」
