「嘘だろ」…衝撃の通帳残高
妻が深刻な様子で話しかけてきたのは、65歳の完全リタイアから4年がたったある夜のことでした。
「ねぇ、貯金が思ったより少ない気がするの。このほかに貯金通帳ってあったっけ?」
夫婦は、年金が振り込まれるメイン口座のほか、現役時代に給与が振り込まれていた口座、退職金を入れていた定期預金など、いくつもの口座を持っていました。
日常のお金も、出先のATMで必要な分だけ引き出すという使い方。ATMで残高を見ても、「まあ、こっちの口座にもあるから」と、それ以上は気にしませんでした。
「口座ごとの残高は、なんとなく見ていました。でも、全部合わせていくらあるのかを見ていなかったんです」
そこで、一つひとつの口座を確認し、残高を足し合わせていった達夫さんでしたが……。
「全部足してみたら、1,600万円くらいしかなかった。他に口座はなく、それがすべてでした」
60歳時点で約3,000万円あった金融資産は、69歳で約1,600万円。9年足らずで約1,400万円も減っていたのです。
「こんなに使った覚えがないんです。外食もレジャーも、自分たちは驚くほどの贅沢はしていない。家の修繕や車の買い替えなんかは、ちゃんと覚えています。それで、ハッとしたんです」
