前回は、日本男子の3割を悩ませるというAGAの発症要因についてお伝えしました。今回は、AGAの種類を脱毛の進行パターンから分類するチャートをご紹介します。

1から7のレベルでAGAを分類

AGAのメカニズムがわかったところで、次にAGAの種類について見ていきましょう。AGAについては「ノーウッド‐ハミルトンの分類」というものがあります。これはアメリカの医師、ハミルトンが作った脱毛のパターンを、のちに別の医師、ノーウッドが改定したものです。AGAが1から7のレベルで分類されており、現在も薄毛の進行度の目安として使用されています。

 

ノーウッド‐ハミルトンの分類は図表1のように説明されています。

 

【図表1 AGA の分類(ノーウッド-ハミルトンの分類)】

Ⅰ型:脱毛が始まっていない状態

Ⅱ型:生え際から進行し始めた状態

Ⅱ型(Vertex型):生え際からの進行に加えて、頭頂部がO型に脱毛してきた状態

Ⅲ型:生え際から徐々に進行が目立ってきた状態

Ⅲ型(Vertex型):Ⅲ型の状態に加え、頭頂部がO型に進行してきた状態

Ⅳ型:生え際から頭頂部にかけて進行した状態

Ⅴ型:生え際から頭頂部にかけて進行し、つながっている状態

Ⅵ型:全体的にかなり進行している状態

Ⅶ型:Ⅵ型よりさらに進行している状態

 

ちなみに、“Vertex(バーテックス)”とは“頭頂”という意味です。また、このほかに、前頭部の生え際が後退するM型や、頭頂部から脱毛していくO型もあります。

日本人や女性向けのAGA分類

このノーウッド‐ハミルトンの分類は欧米人を対象にしたものなので、日本人などアジア人には少しそぐわない部分もあります。そこで、皮膚科医の高島巌医師が、ノーウッド‐ハミルトン分類を日本人の脱毛パターンに即して修正し、「高島分類」というものを作り上げました。

 

【図表2 男性型脱毛症の分類(高島分類)】

図のように、欧米人は一般的に前頭部から脱毛することが多いのに比べ、アジア人は前頭部はさほど薄毛でなくても頭頂部がO型に脱毛していくことが多いことがわかります。つまり、日本人をはじめとするアジア人はⅡ型(Vertex型)が多いのが特徴なのです。

 

ちなみに先ほど、男性型脱毛症という名称ではあってもAGAは女性にも無縁ではない、とお話ししました。女性にも男性ホルモンが存在するからです。

 

ただし、女性のAGAは男性の場合と、脱毛のしかたがかなり異なります。図のように、女性の場合は額が後退することはほとんどありません。髪の分け目が薄くなり、それが広がっていき、頭頂部が丸く脱毛することが多いのです。

 

その頭を斜め上から見ると、まるでクリスマスツリーのように見えるので、“クリスマスツリー型脱毛”と呼ばれます。女性に限って、このように脱毛する原因は不明とされています。また、女性のAGAには、クリスマスツリー型脱毛の他に、脱毛のパターンによりルードウィッグ型、ハミルトン型の脱毛パターンも存在します。

 

【図表3 女性の男性型脱毛症(クリスマスツリー型の脱毛)】

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『薄毛 「自毛主義」のすすめ』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

薄毛革命 「自毛主義」のすすめ

音田 正光

幻冬舎メディアコンサルティング

髪が抜けて少なくなる、頭頂部が薄くなる――これは男性にとって古今東西、永遠のテーマといえる苦しみであり、さらに昨今は女性にも薄毛の悩みを抱える人が増えています。 本書では、さまざまな治療法を試しては失望してきた…

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