今回は、「リフォーム費用」の目安について見ていきます。※本連載は、マンション維持管理支援・専門家ネットワークの編著書『Q&Aマンションリフォームのツボ―管理組合・居住者が知っておくべきトラブル予防・解決の必須知識』(民事法研究会)の中から一部を抜粋し、リフォームにまつわるトラブルを防止し、マンション全体の資産価値の向上にもつながるリフォームの基礎知識を具体例とともに紹介します。
工事費の目安が数十万円程度の「模様替え」
Q
リフォームの費用はどのくらいを考えておくとよいのでしょうか。
A
工事の費用は、工事内容によって大きく変わります。模様替え程度か、間取りを変更するか、設備更新を含むかなどが費用の目安を立てるポイントになります。
模様替えとは、壁や天井のクロスや床のフローリングなど仕上げ材の改修程度を指します。工事の種類も少ないため、工事範囲や使用材料にもよりますが、工事費の目安は数十万円程度と考えられます。
間取りの変更とは、2つの部屋を1部屋にしたり1つの部屋を2つの部屋に分けたりすることで、間仕切りの壁や扉、家具などの作り替えも必要になります。工事の種類も増えるため、工事費は数百万円程度になる場合があります。
「設備更新と間取りの変更」で500万円を超えるケースも
設備更新とは、システムキッチンやユニットバスといった住設機器の入れ替えです。住設機器は性能により金額の幅がありますが、キッチンや浴室はそれぞれ100万円程度、トイレや洗面化粧台などは数十万円程度を見込んでおきたいところです。
設備更新とあわせて間取りの変更を行う場合もあります。これらを踏まえると、工事費が500万円を超えるリフォームも少なくないため、建設業の許可をとらずに営業しているリフォーム業者では希望する内容の工事ができない場合があります。
また、リフォームの予算を立てる場合は、工事費のほかに、設計費や仮住まい費用、家具の購入費なども見込んでおくことが必要です。
マンション維持管理支援・専門家ネットワーク
代表・弁護士
東京東部法律事務所。1996年4月弁護士登録、東京弁護士会所属。民事全般・公害関係を専門とし、マンションなんでも相談会など他分野の専門家と協力し解決に取り組んでいる。
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連載永く快適に住み続けるための「マンションリフォーム」の基礎知識
マンション維持管理支援・専門家ネットワーク
副代表・一級建築士
山野井建築設計工房 主宰。マンション管理支援協議会理事・技術者。ホームドクター株式会社検査員。江戸川区内マンション協議会顧問。管理組合理事長の経験も生かし、分かりやすい説明で管理組合の主体性を守護。建物維持管理のサポートや啓蒙活動を専門とする。
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副代表・一級建築士
株式会社象地域設計 取締役。マンション大規模修繕工事の劣化診断、設計への取り組みの他、団地の再生や既成市街地での共同建替えなど、住民の立場で合意形成に取り組む。
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事務局長・マンション管理士
株式会社興和ビルメンテ 取締役 管理部長。管理組合や行政主催のセミナー講師、相談員として長年活躍。日本マンション学会理事。著書に『めざせ!マンション管理士・管理業務主任者』(日本能率協会マネジメントセンター)等。
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