関西圏の需要が盛り上がる「一棟マンション」の動向
大型の投資対象となる一棟マンションの全国平均価格は2億632万円に達しました。前月比で0.57%増、前年同月比で9.41%増となっています。こちらの種別でも、関西エリアが1億8,867万円を記録し、直近1年間の最高額を塗り替えました。関西、北海道、中国・四国、九州・沖縄といった地方の各地域で、前月比で大きなプラス変動が発生しています。
対照的に、首都圏は前月比で3.58%のマイナス、東海エリアも5.23%のマイナスとなりました。月ごとの物件の供給動向によって数字が左右される側面はあるものの、年間を通した比較では、首都圏が10.56%増、東京23区が13.39%増と、中長期的な上昇基調は揺らいでいません。全国平均の表面利回りは7.36%と、前月から微減の安定した動きに留まっています。
建築コストと融資環境から見る今後の市場予測
このような歴史的な高値が継続する背景には、どのような要因が存在するのでしょうか。
要因のひとつとして挙げられるのが、深刻な建築費の高騰です。国土交通省が公表している「建設工事デフレーター」の推移を見ると、資材価格や人件費の上昇によって、建設コストは右肩上がりを続けています。新築物件の供給価格が高騰した結果、割安感のある中古の収益物件へ需要が流れ、中古市場全体の底上げを招いたと考えられるのです。
同時に、日本銀行の金融政策決定会合において金利引き上げの議論が進むものの、実質的な融資環境は依然として低金利状態が維持されています。国内の金融機関が不動産向け融資に対して積極的な姿勢を崩していないことも、価格高止まりを支える強力なエンジンとなっています。収益物件市場は、当面の間、コスト高と資金流入の双方に支えられた高値圏での推移が続く可能性が高いといえるでしょう。
[参考資料]
健美家『収益物件3種別ともに、全国平均価格が調査開始以降2番目となる高値を記録「収益物件 市場動向マンスリーレポート」2026年6月期』
