富裕層がハマる〈再生医療〉の泥沼…自由診療に潜む「法的リスク」と、危険を見極める「重要チェック項目」【弁護士が解説】

富裕層がハマる〈再生医療〉の泥沼…自由診療に潜む「法的リスク」と、危険を見極める「重要チェック項目」【弁護士が解説】

いつまでも若く健康でありたいのはだれしも同じですが、近年では、そのような思いから「再生医療」に足を踏み入れる富裕層が増えています。狙った効果が得られればいいのですが、実際には法的・身体的なリスクにさらされ、トラブルに巻き込まれるケースが後を絶ちません。これらを回避する方法はあるのでしょうか。横浜パートナー法律事務所の高橋涼馬弁護士が解説します。

「安全な再生医療」「危険な再生医療」の見分け方

では、大切な資産と健康を守るために、どのように医療機関を見極めればよいのでしょうか。弁護士の視点から、必ず確認すべき「4つのチェックポイント」を提示します。

 

【チェック①】厚生労働省への届出がなされているか

これが最も確実で最低限のフィルターです。適切な手続きを行っている医療機関であれば、必ず厚生労働省に対し「再生医療等提供計画」の届出がされています。

 

厚生労働省のウェブサイト内にある「再生医療等提供機関一覧」のページや日本再生医療学会の「再生医療ポータル」のサイトで、そのクリニックと治療内容が実際に登録されているかを一般の人でも検索・確認できます。

 

ここに掲載されていない治療を勧めるクリニックは、その時点で選択肢から外すべきです。

 

【チェック②】書面によるリスク説明と「考える時間」が与えられるか

優れた医療機関ほど、再生医療の限界や予期せぬ副作用のリスクを丁寧に説明します。

 

●治療に伴う具体的なリスクや合併症が書面に明記されているか

●セカンドオピニオンを推奨してくれるか

●高額なコースを「今日契約すれば割引」などと即日契約を迫ってこないか

 

これらをチェックしてください。熟考する時間を与えないクリニックは、患者の健康よりも売上を優先している証拠です。

 

【チェック③】料金体系が明確で、契約書・領収書が適切に発行されるか

「治療費一式」としてブラックボックス化されているケースは危険です。

 

初診料、検査料、細胞採取料、培養料、投与料などが細分化され、万が一途中で治療を解約・中断した場合の「返金規定(中途解約条項)」が契約書に明記されているかを確認してください。

 

【チェック④】独自の「健康被害補償制度」や保険に加入しているか

自由診療の再生医療には国の公的救済制度が適用されません。だからこそ、医療機関側が独自に「補償措置」を講じているかが極めて重要な判断材料になります。

 

現在、日本再生医療学会などは、医師に法的責任(過失)がない場合であっても患者を保護する観点から、「再生医療サポート保険(治療補償)」などの民間補償制度を用意しています。

 

安全への意識が高いクリニックは、こうした「無過失補償」に対応した民間保険に自ら加入しており、万が一の際の補償体制を契約前に明確に説明してくれます。「健康被害に対する独自の補償規定がない」「医師のミスしかカバーしない通常の医師賠償責任保険にしか入っていない」というクリニックは、リスク管理が不十分と言わざるを得ません。

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