〈資産6,000万円〉元国家公務員・エリート夫婦、退職記念に“世界一周クルーズ100日の旅”を満喫。わずか1年後、通帳残高を見て“顔面蒼白”のワケ

〈資産6,000万円〉元国家公務員・エリート夫婦、退職記念に“世界一周クルーズ100日の旅”を満喫。わずか1年後、通帳残高を見て“顔面蒼白”のワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

安定した職業の代名詞であり、老後不安とは無縁そうな印象がある「公務員」。しかし、十分な退職金と貯蓄を手にしたはずの夫婦が、わずか1年で「驚愕の残高」に頭を抱える事態に――。公務員世帯でも例外ではない老後破綻のリスク。その理由を事例と共に見ていきましょう。

データが示す「国家公務員でも4割が赤字」の実態

「国家公務員というしっかりした人に限って、お金を使いすぎて焦るなんてことあるわけがない」

 

そう思う人もいるでしょう。もちろん全員がそうというわけではありません。しかし、木村さん夫婦のケースは、決して特異な例ではないのです。

 

人事院事務総局『令和5年 退職公務員状況調査報告書』によると、退職後の世帯の家計状況について、全体の約4割(41.5%)の世帯が程度の差はあれど「赤字である」と回答しています。

 

・家計の状況割合ゆとりはないが、赤字でもない 38.8%(赤字ではない)
・毎月のやりくりに苦労しており、時々赤字が出る 23.3%(赤字)
・どうやりくりしても、常に赤字が出て生活が苦しい 18.2%(赤字)

 

また、同調査で「退職前にもっと知っておけばよかったこと」の上位には「年金・保険(51.6%)」「資産運用(44.6%)」が並んでいます。国家公務員であっても、自身の老後資金への備えが不足している人たちが多い実態が浮き彫りになっています。

問題は「世界一周クルーズ」ではない

では、木村さん夫婦のクルーズ旅行は無謀だったのでしょうか? もちろん退職のお祝いとしては高額です。しかし、40年弱夫婦で働いたご褒美と考えれば、非常識とまではいえません。

 

本当の問題は、むしろ帰国後に生活のダウンサイジングができなかったことにあります。本来、勤労収入が入らなくなったら、日々の生活費を少し抑える工夫をするのが鉄則です。しかし彼らの場合、自由な時間が増えたことで、かえって現役時代よりも外食や趣味、日常の贅沢に充てるお金が増えてしまっていたのです。

 

幸いにも、早い段階でこの危機的な現実に気づいたことで、夫婦は軌道修正に向かってさまざまな見直しを始めました。外食や趣味には毎月の上限予算を設定。さらに、年金受給までの空白期間を埋めるため、幸一さんは週3日の再任用へ、小百合さんも週2日のパートタイム勤務を開始しました。

 

この事例や調査データが示しているのは、「どれだけ現役時代に立派な身分であったか」「退職時にどれほどまとまった資産を持っていたか」は、老後の安泰を保障する決定打にはならないという現実です。

 

家計の鉄則は極めてシンプルです。「収入より支出が上回る状態」が続けば、お金はいつか必ず枯渇。定期収入が途絶えれば、資産が底をつくスピードは当然ながら加速します。だからこそ、誰もが定年を迎えた瞬間から、自らの手で家計をコントロールし直す必要があります。

 

無意識のうちに「優雅な老後」を送ってしまっていた木村さん夫婦。しかし、早い段階でこの現実に気づき、プライドを捨てて軌道修正を図れたこと――それが、これから続く長い老後を守ることに繋がっていくはずです。

 

 

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