今回は、製造拠点として注目される「ラオス」の自動車マーケットの現況を紹介します。※本連載は、公認会計士・税理士で、久野康成公認会計士事務所所長、株式会社東京コンサルティングファーム代表取締役会長の久野康成氏が監修した『新興国ビジネス業界地図』(TCG出版)から一部を抜粋し、激変する新興国市場のうち、特に注目したい4カ国の現状と今後の動向予測を見ていきます。
順調な経済成長により、モータリゼーションの本格化も
ラオスは、13年連続で6~8%の高い成長率を続けており、1人当りのGDPも2012年に1,000USドルに達し、2015年には1,693USドル(2014年IMF予測)となった。
自動車の普及が急進するといわれる3,000USドルには及ばないが、高所得層が存在感を表している首都ビエンチャンや、タイ国境に近い経済特区ではすでにモータリゼーションが進みつつあるといわれている。
後発ASEAN各国に狙いを定める韓国・中国メーカー
2012年に中古車の輸入が禁止され、新車の輸入車の販売が急伸。タイやインドネシアなど先発ASEAN各国では日系メーカーのシェアが圧倒しているが、後発ASEAN各国では韓国系、中国系の自動車メーカーも強みを発揮。
なかでもラオスでは現代自動車の存在感が大きい。現代自動車の現地カウンターパートであるコーラオグループは、韓国の中古車販売からスタートし、中古車禁輸以降は低価格の現代自動車を本格輸入。自動車ローンや車検まで手広く関連サービスを展開して現地マーケットに定着している。
今後は、欧米日各国メーカーも、規模が小さいながらも普及率が低くポテンシャルの高いラオス自動車マーケットにも注目し始めており、新たなシェア争いが起きると思われる。
久野康成公認会計士事務所 所長
株式会社東京コンサルティングファーム 代表取締役会長
東京税理士法人 統括代表社員
公認会計士・税理士・社団法人日本証券アナリスト協会検定会員
1965年生まれ。愛知県出身。1989年滋賀大学経済学部卒業。1990年青山監査法人(プライスウオーターハウス)入所。監査部門、中堅企業経営支援部門にて、主に株式公開コンサルティング業務に係わる。
クライアントの真のニーズは、「成長をサポートすること」であるという思いから監査法人での業務の限界を感じ、1998年久野康成公認会計士事務所を設立。
営業コンサルティング、IPOコンサルティングを主に行う。
現在、東京、横浜、名古屋、大阪、インド、中国、香港、モンゴル、タイ、インドネシア、ベトナムほか世界27カ国にて、「第2の会計事務所」として経営コンサルティング、海外子会社支援、内部監査支援、連結決算早期化支援、M&Aコンサルティング、研修コンサルティング、経理スタッフ派遣・紹介等幅広い業務を展開。国際会計事務所グループGGI(世界第6位)の日本におけるグローバルアライアンスメンバーファームに加盟。
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