日本経済の「ゾンビ化」は再び進むのか――コロナ支援策の検証で見えてきた意外な実態【公認会計士が解説】

日本経済の「ゾンビ化」は再び進むのか――コロナ支援策の検証で見えてきた意外な実態【公認会計士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

新型コロナ禍では、企業の倒産を防ぐため、日本政府は過去最大級の資金繰り支援を実施しました。多くの企業が救われた一方で、「本来市場から退出すべき企業まで延命させ、日本経済の生産性を低下させたのではないか」という懸念も根強くあります。東京大学の星岳雄教授、川口大司教授、上田謙一教授らによる「日本銀行ワーキングペーパー」は、企業レベルの詳細なデータを分析し、コロナ支援策が実際にどの企業へ向かったのかを検証しました。そこから浮かび上がったのは、「支援はコロナ前から経営基盤の弱かった企業に集中していた」という実態でした。公認会計士の岸田康雄氏が詳しく解説します。

問われるのは支援よりも「出口戦略」

コロナ支援策は、多くの企業を倒産から救い、日本経済への急激なショックを和らげたことは間違いありません。

 

一方で、今回の研究は、その支援が信用力の低い企業へ比較的厚く配分され、銀行の審査機能にも一定の影響を与えた可能性を示しています。

 

今後の課題は、積み上がったコロナ債務をどのように整理していくかです。支援を急激に打ち切れば「倒産の崖」が生じる恐れがありますが、支援を長く続ければ、生産性の低い企業が市場に残り続け、日本経済全体の活力を損なう可能性があります。

 

企業の事業再編や債務整理を円滑に進め、成長可能な企業へ資金や人材を移していくことが、これからの政策には求められます。危機対応として始まったコロナ支援は終わりつつあります。これから本当に問われるのは、「どう支援するか」ではなく、「どう支援を終わらせるか」という出口戦略なのかもしれません。

 

 

岸田 康雄

公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

 

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