中国経済崩壊の懸念で高まる「ビットコイン」への注目度

今回は、中国経済が崩壊に近づくことで、「ビットコイン」の今後がどうなるかを予想します。※本連載は、金融情報全般を扱う大手情報配信会社、株式会社フィスコ監修の『FISCO 株・企業報 2017年春号 今、この株を買おう』(実業之日本社)の中から一部を抜粋し、中国経済の危うさと、日本経済に与える影響、世界経済への波及などを検証していきます(執筆:株式会社フィスコ所属アナリスト・田代昌之氏)。

中国人投資家の資本逃避先となる「ビットコイン」

本連載では危険な中国経済を概観してきたが、中国と関係の深いビットコインの今後はどうなるのか、17年のビットコイン相場を簡単に展望してみよう。

 

17年1月初旬のビットコイン急騰とその後の急落(1日で2割超も下落)を覚えている読者も多いだろう。1月5日に1BTCが15万円超(出所:フィスコ仮想通貨取引所)と円建てで過去最高値をつけた(人民元建て、米ドル建てでは過去最高値ではない)が、その夜には様相が一変した。

 

この原因の大きなものとして、中国人民元の為替変動が指摘されている。資本の海外逃避に神経をとがらせる中国の通貨当局が資本規制を強めたことで、同日の上海外国為替市場では人民元が急騰した。中国の大手取引所のOKコインでは、同日夕方に1BTCが1174ドルをつけた後、わずか数時間で同857ドルまで急落した(下落率約27%)。

 

ビットコインはその仕組み上、市場への供給ペースがほぼ一定に保たれていることから、需要の変動によって価格が大きく変動しやすい(ボラティリティが高い)。そのため、取引の7~8割を占めるといわれる中国人投資家の動向がビットコイン価格の鍵を握っていると考えられている。

 

本連載で推測したような中国の悲観シナリオが仮に現実的なものとなるのであれば、その際にはビットコイン価格が大きく変動することになるだろう。具体的には、次のようなシナリオが想定される。

 

まず、中国経済崩壊の傾向が何らかの形で示されると、人民元安が進行する。人民元安が進行すると、中国人投資家の資本逃避先としてビットコインの注目度が相対的に高まり、ビットコインの価格が上がる、というものだ。

 

その際の上値メドとしては、円建てで次の心理的節目として意識される1BTC=20万円突破という可能性もありえないものではないだろう。

中国当局の規制の動向には注視を

ただ、一方で引き続き注意すべきは中国側の規制強化である。上述した急落劇のほかにも、中国人民銀行が1月11日の夕刻に中国のビットコイン取引所3社に対して調査を始めたと発表した。発表直前の高値は1BTCが922ドルだったが、発表後の翌日朝には同705ドルまで急落した(下落率約31%)、という事例がある。

 

また、トランプ新大統領の中国への対応次第ではドル安・人民元高に振れる可能性も意識する必要があろう。引き続き人民元レート、および中国当局の規制の動向に注視しながら、ビットコイン投資をしていく必要がありそうだ。

 

なお、日本におけるビットコイン取引所のひとつである「フィスコ仮想通貨取引所」では、口座開設したユーザーに対して、本誌に掲載したような日本経済・世界経済の動向に関する記事を定期的にメール配信する予定だ。

 

これからビットコイン投資を始める・強化するにあたって、本稿で述べたような情報の1つとして読者の役に立てれば幸甚である。

 

フィスコ仮想通貨取引所代表取締役・アナリスト 越智直樹

 

中国人民元安や、インドで実施された高額紙幣廃止に伴う混乱などを材料に上昇ピッチが強まった。円建てでは過去最高値をつけたが、1月5日夜に様相が一変。資本の海外逃避に神経をとがらせる中国の通貨当局が資本規制を強めたことで、上海外国為替市場では人民元が急騰。中国大手取引所のOKコインでは、夕方に1174ドルをつけた後、わずか数時間で857ドルまで急落した。
中国人民元安や、インドで実施された高額紙幣廃止に伴う混乱などを材料に上昇ピッチが強まった。円建てでは過去最高値をつけたが、1月5日夜に様相が一変。資本の海外逃避に神経をとがらせる中国の通貨当局が資本規制を強めたことで、上海外国為替市場では人民元が急騰。中国大手取引所のOKコインでは、夕方に1174ドルをつけた後、わずか数時間で857ドルまで急落した。

株式会社フィスコは、株式・為替など金融情報全般を扱う情報配信会社。ロイター、ブルームバーグ、クイックなどプロ向け端末や証券会社のほか、ヤフーファイナンスなど20以上の主要ポータルサイトに情報を提供する、投資支援サービスのプロフェッショナル集団。

写真はフィスコアナリストとして株式市場・個別銘柄や為替市場を担当する田代昌之氏。ビットコインなど仮想通貨についても造詣が深い。

著者紹介

連載崩壊は目の前!? 中国経済の「危ない」現状

FISCO 株・企業報 2017年春号 今、この株を買おう

FISCO 株・企業報 2017年春号 今、この株を買おう

株式会社フィスコ

実業之日本社

フィスコアナリストによるまったく新しい経済・株式投資誌 最良の投資支援サービスを提供するプロフェッショナル集団であるフィスコのアナリストが、日本と世界の経済事情から国内市場、そして有望推奨銘柄まで、独自の視点…

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