便利さだけではない…タワマン老後で得た「暮らしやすさ」
住み替えから5年が経った今、俊彦さんははっきりと言います。
「戸建てには戻れません」
朝起きて、ごみを出し、近くの店で買い物をし、必要があれば歩いて病院へ行ける。そうした小さな動きが、以前よりずっと楽になったからです。明美さんも、階段のない暮らしに変わったことで、外出への不安が減りました。
もちろん、タワーマンションにも負担はあります。管理費や修繕積立金は毎月かかり、将来的な増額も考えなければなりません。共用施設をほとんど使わなくても、その維持費を負担する必要があります。国土交通省『マンション総合調査』でも、築年数の経過に伴う修繕積立金や管理の課題は示されています。
それでも俊彦さん夫婦は、費用に見合う価値を感じています。戸建て時代は、台風のたびに屋根や雨どいを心配し、庭の雑草を見るたびに気が重くなっていました。今は建物全体の管理を管理組合や専門業者に任せられ、自分たちは日々の暮らしに集中できます。
また、同じマンション内に同年代の住民がいることも安心材料でした。深く付き合いすぎる必要はありませんが、エレベーターで挨拶を交わし、管理人にちょっとした相談ができる距離感は、夫婦にとって心地よいものでした。
「若い頃なら、庭付きの家がよかったと思います。でも今は、とにかく便利さが重要です」
明美さんはそう話します。
老後の住まいに正解はありません。戸建てには広さや自由があります。一方で、マンションには管理のしやすさや利便性があります。
俊彦さん夫婦がタワマン老後に満足しているのは、見栄や眺望を求めたからではありません。車に頼らず、家の維持に追われず、夫婦で無理なく暮らせる場所を選んだからです。住まいを小さくすることは、老後を身軽にする選択でもあるのです。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

