いつかは来る別れ…遺族年金の厳しい現実
いつかは訪れる配偶者との別れ。そのときに支えとなるのが「遺族年金」ですが、ここには見落としがちな落とし穴があります。
遺族年金には、大きく分けて「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。
遺族基礎年金を受給できるのは、原則として「18歳到達年度末までの子(または一定の障害がある20歳未満の子)を養育している配偶者」などです。そのため、子どもがすでに独立している和歌子さんのケースでは1円も支給されません。
一方、会社員や公務員だった人が亡くなった場合に受け取れるのが遺族厚生年金。原則として、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3を基に計算されます。
ここで注意すべきは、「夫の年金額がそのまま4分の3になるわけではない」という点です。夫婦2人分の年金を受給していた頃に比べ、世帯収入が大きく減少することは避けられません。
「遺族年金があるから大丈夫」と思い込んでいると、「こんなに減るの?」という厳しい現実に直面することになります。
高齢期に欠かせない「1人になる準備と心構え」
和歌子さんの場合、月約14万円の年金と1,700万円の貯蓄があれば、決して生活が立ち行かなくなるわけではありません。問題だったのは、「1人で生きる準備」が何一つできていなかったことです。
「お父さんが甘やかしすぎた」という有希さんの本音も理解できます。高齢の親を突き放せる子どもは少なく、同居は拒んだとしても、精神的・時間的なサポートという負担を有希さんが背負う事実は変わりないからです。
家計の収支、銀行口座の暗証番号、保険の加入状況、公共料金の引き落とし口座を夫婦間で共有する。遺族年金はいくらになるのか試算しておく。そして、子ども側も両親が揃っているうちから「万が一のとき、口座や手続きの場所は分かっている?」と、折に触れて確認しておくことも大切です。
いつか来る別れの日に向けて、そのうちではなく今、家計や資産、手続き等についてはしっかり共有しておくことが、遺された家族を守る防衛策になるはずです。
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