抱え込まないために…姉弟が踏み出した第一歩
転機になったのは、夫の一言でした。
「助けることと、生活を背負うことは違うよ」
その言葉をきっかけに、洋子さんは地域包括支援センターや自治体の相談窓口へ足を運びました。担当者から勧められたのは、弟本人も交えた話し合いでした。
収入状況や今後の働き方、住まいの維持、利用できる制度を整理し、「家族だけで抱え込まない方法」を一緒に考えることになったのです。
生活が苦しい人には、状況に応じて生活困窮者自立支援制度による相談支援や就労支援などを利用できる場合があります。また、自治体によっては住まいや家計改善に関する相談窓口も設けられています。
現在は、健一さんも自治体の支援を受けながら仕事を探し、実家についても売却や住み替えを含めて検討しています。すぐに状況が変わったわけではありませんが、「何かあれば姉が何とかしてくれる」という考え方は少しずつ変わり始めました。
洋子さんも、必要以上のお金を渡すことはやめました。その代わり、制度の手続きや相談には付き添い、生活を立て直すための支援に力を注いでいます。
老後の不安は、お金だけで生まれるものではありません。親亡き後のきょうだい、住まい、将来への責任など、家族だからこそ抱え込んでしまう問題もあります。自分の人生を守りながら家族を支えるには、一人で解決しようとせず、公的な相談機関や制度も活用しながら、それぞれが自立できる道を探していくことが大切なのかもしれません。
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