(※写真はイメージです/PIXTA)

夫を亡くしたあと、遺族年金が生活の支えになると考える人は少なくありません。しかし実際に受け取れる額は、夫の年金額だけで決まるわけではありません。妻自身に厚生年金がある場合、遺族厚生年金が思ったほど増えないこともあります。制度を知らなければ、通知書を見て初めて現実に戸惑うことになります。

遺族年金は「夫の年金の一部が上乗せされる」と思っていたが…

佐和子さん(仮名・76歳)は、夫の正弘さん(仮名・79歳)と二人で暮らしていました。夫婦合わせた年金収入は月29万円ほど。

 

正弘さんは会社員として長く働き、佐和子さんも結婚後しばらくは正社員として勤務し、その後もパートや契約社員として働いてきました。佐和子さん自身の老齢厚生年金も比較的多く、夫婦二人なら大きなぜいたくをしなければ暮らしていける家計でした。

 

正弘さんが亡くなったのは、体調を崩して入院してから数ヵ月後のことでした。葬儀や手続きに追われるなか、佐和子さんは年金事務所で遺族年金の説明を受けました。ただ、その時点では細かな仕組みまで理解する余裕はありませんでした。

 

「夫が亡くなったら、夫の年金の一部が私の年金に足されるのだと思っていました」

 

佐和子さんはそう振り返ります。夫婦で月29万円あった年金が一人分になることは分かっていましたが、遺族厚生年金があれば、生活はある程度守られるはずだと考えていました。

 

ところが後日届いた通知書を見て、佐和子さんは目を疑いました。

 

「これだけしか受け取れないの?」

 

想像していたより、遺族年金として増える額が少なかったのです。理由は、佐和子さん自身の老齢厚生年金にありました。

 

65歳以上で老齢厚生年金と遺族厚生年金の両方を受ける権利がある場合、まず本人の老齢厚生年金が支給され、遺族厚生年金はそれより高い場合に差額が支給されます。つまり、夫の遺族厚生年金がそのまま満額上乗せされるわけではありません。

 

佐和子さんの場合、自分自身の厚生年金が一定額あったため、遺族厚生年金として新たに受け取れる額は限られていました。長く働いてきたこと自体は老後の支えになっています。しかし、「夫の分もかなり受け取れる」と思い込んでいたため、通知書の数字は大きな衝撃でした。

 

 

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