(※写真はイメージです/PIXTA)

孫が遊びに来る時間は、多くの祖父母にとって何よりの楽しみです。しかし、年齢を重ねるにつれて体力は少しずつ衰え、家事や片付けも以前ほど楽ではなくなります。孫への愛情は変わらなくても、その時間を支える負担は確実に大きくなります。そうした背景から、「嬉しい」と感じる気持ちと「つらい」と感じる気持ちが同時に生まれることも少なくありません。

孫がかわいくても、祖父母にも守りたい暮らしがある

ある日、孫と公園で遊んだ帰り道、和子さんは段差につまずいて転びそうになりました。大きなけがはありませんでしたが、その夜は膝の痛みでなかなか眠れませんでした。

 

翌朝、夫から「少し休んだほうがいいんじゃないか」と言われたことで、初めて自分の疲れを認めます。孫と過ごす時間が嫌なのではありません。毎週続くことが、自分たちの体力には重くなっていたのです。

 

内閣府『令和7年版高齢社会白書』では、高齢期の社会参加や生きがいは健康維持にもつながる一方、無理のない活動であることが重要とされています。祖父母による子育て支援も貴重ですが、それが本人の生活や健康を損なうほど続けば、本来の目的とは離れてしまいます。

 

和子さんは思い切って長男夫婦に相談しました。

 

「来てもらうのは本当に嬉しいの。でも、毎週だと少し体がついていかなくなってきたのよ」

 

長男は驚いた表情を見せました。

 

「そんなに負担だったなんて思わなかった」

 

共働きで忙しい長男夫婦は、両親が楽しんで孫を迎えていると思い込んでいたのです。話し合いの結果、孫が遊びに来るのは月に一、二回とし、それ以外は近くの公園で待ち合わせて短時間だけ会う日を設けることになりました。また、急な預かりが必要なときは、自治体のファミリー・サポート・センターも利用することにしました。

 

週末に少し余裕が戻ると、和子さんは夫と散歩へ出かけたり、友人とランチを楽しんだりする時間を取り戻しました。そして孫が遊びに来る日には、以前より心から笑顔で迎えられるようになったといいます。

 

「無理をしなくなったら、孫と過ごす時間がもっと楽しくなりました」

 

祖父母にとって孫はかけがえのない存在です。しかし、祖父母にも自分たちの生活があり、守るべき健康や時間があります。愛情があるからこそ、無理を重ねるのではなく、お互いに続けられる距離を家族で話し合うことが、長く良い関係を築くために必要なのかもしれません。

 

 

 

 

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