「テレビに説教」で我に返り、ハローワークへ
昼間1人でいるときのランチは食品スーパーで買うサンドイッチ、スパゲッティ、おにぎり弁当など。自分で料理することもあるが、冷凍チャーハンを解凍してあとは卵を茹でるだけとか、レトルトのカレーを温めてレンチンしたご飯にかけるだけ。食べても美味しいとは思わない。
とにかく1日が長く、新聞や週刊誌を読んでそろそろ1時間は経っただろうと思っても時計の針は20分ぐらいしか進んでいないということがたびたび。外出することが少なくなったので身繕いもぞんざいになり、くたびれたおじいちゃんみたいになった。
「これはよろしくないと思ったのは、独り飯のときテレビの言うことに突っ込んでいることがあったんです。正午前の天気予報のお姉さんに『昨日は雨だって言ってたよな、見事に外れたじゃないか』とか、バラエティー番組で騒いでいるお笑い芸人に『くだらないな、面白くない』と説教してました。こりゃ駄目だと思いましたよ」
毎日が日曜日だなんて笑っていられない。暇が有り余るのもストレスだと感じた。
「ブラブラはもうおしまいにして、何でもいいから働いた方がいいと思ったんです。外に出れば社会との繋がりもできるわけだから」
初めてハローワークへ行き、手にしたことがない求人情報誌を読み漁って見つけたのが今の仕事。
「働くにあたって仕事内容や賃金は特に重視しなかった。66歳直前だったから仕事を選ぶのは現実的じゃない。きつい肉体労働は無理だけど軽作業ならOK。時給は東京都の最低賃金をクリアしていれば文句なし。そしたら2週間で決まりました」
時給1200円・1日3時間勤務…月給は「可もなく不可もなく」
具体的な仕事内容はというと、通用門での受付、駐車場での入出庫管理、駐車料金の徴収、駐車場全体の簡単な清掃、事務所テナントから出される新聞紙や段ボールの回収など。
「廊下や階段室の照明がおかしくなったら蛍光灯や点灯管を交換することもある。トイレの見回りもやります。たまに個室で具合が悪くなったり倒れちゃう人がいるんです」
これで賃金はいかほどかというと時給で1200円。1日3時間勤務、交通費は1出勤で最大500円支給。
「月に20日出勤すると7万2000円。都営地下鉄の定期券を買っているので交通費がオーバーすることはない。特に良くはないけど悪くもない、自分では納得している」
奥さんのパート収入もほぼ同額の月7万5000円ぐらいということなので、2人合わせると約15万円。年金は約18万円なので合計すると33万円。生活はゆとりがある方だ。

