相続や退職金、死亡保険金など、まとまったお金を受け取ったあとに「この契約、本当に大丈夫なのだろうか」と不安を抱えるケースは珍しくありません。当事者の多くは積極的に投資をしたかったわけではなく、「お金を減らしたくない」という思いから契約に至っています。本記事では、大金を受け取ったあとに起こりやすいトラブルについて、CFPの京極佐和野氏が5つの相談事例をもとに解説します。
「専門家が勧めるなら安心」の落とし穴…ラップ口座で驚きの元本割れ
長年続けた商売をたたみ、まとまった資金を受け取ったDさん(60代・女性)が銀行から勧められたのは「ラップ口座」でした。
「長年お付き合いしている銀行さんですし、お金の専門家が勧めるなら間違いないと思ったんです」と話していましたが、後日届いた報告書を見ると元本が減っていて驚いたそうです。
Dさんのケースでは、商品の内容よりも担当者を信頼して契約してしまったことがうかがえます。信頼関係は大切ですが、担当者への信頼と金融商品に対する理解はまったくの別問題です。
「預金のままではもったいない」外貨建て保険に預けた末の“大きな損失”
退職金を受け取り、外貨建て保険に資金の大半を預けたEさん(50代・女性)のケースもあります。
「預金のままではもったいないと思ったんです」とEさんは話します。また、「米ドルだけでなく豪ドルにも分けているので、分散できていると思っていました」とも語っていました。
しかし、どのような仕組みで運用されているのか、自分でも十分には理解できていなかったそうです。時間が経つにつれ、「本当にこのまま持ち続けていいのだろうか」「もっと損をするのではないだろうか」という不安が大きくなっていきました。
最終的には我慢できず解約し、結果として大きな損失を確定させることになりました。「解約したのでスッキリしました」と話していましたが、商品の特徴やリスクを理解できていれば、まったく違う判断もあったかもしれません。
FPオフィスミラボ代表
1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP®/キャリアコンサルタント
「収入はあるのに将来が不安」「何から見直せばよいか分からない」——そんな50代の悩みに対し、お金と働き方の両面から人生後半の再設計を支援するファイナンシャルプランナー。
保険の現場で多くの人生の転機に向き合う中で、「お金の多寡ではなく、価値観と選択が人生を左右する」という本質にたどり着く。
現在は、家計の見直しや支出のリバランス、働き方の再設計を含めたライフプラン支援を行う。感情(気持ち)と勘定(数字)の両面を整え、“わたし仕様の選択”ができるよう寄り添い、必要なときに相談できる距離感を大切にしたスタイルに定評がある。
J-FLEC認定アドバイザー、JASSOスカラシップ・アドバイザーとしても活動。企業顧問として、従業員のライフプランや家計支援に加え、人生後半を見据えた働き方やキャリアの再設計にも関わるほか、企業・団体での研修・セミナー登壇、個別相談に対応。
ホームページ:https://fp-milabo.com/
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連載【CFP監修】感情と勘定を整えてリスタートする「50代からの人生」