「命を削って働いたのに…」月収34万円・32歳女性、“月100時間超え”の残業地獄の果てに絶望した〈まさかの給与明細〉【社労士が「名ばかり管理職」の違法性を解説】

「命を削って働いたのに…」月収34万円・32歳女性、“月100時間超え”の残業地獄の果てに絶望した〈まさかの給与明細〉【社労士が「名ばかり管理職」の違法性を解説】

社運を賭けたプロジェクトのリーダーに抜擢され、「マネージャー」に昇進したミサキさん(仮名・32歳)。しかし、月100時間を超える過酷な残業地獄を乗り越え、期待を胸に確認した給与明細には“まさかの金額”が記載されていました。さらに「管理職だから残業代は出ない」という上司の非情な言葉に絶望することに……。本記事では、多くの会社員が陥る「名ばかり管理職」の違法性と、未払い残業代を取り戻すための具体的な手段について、社会保険労務士の内海正人氏が解説します。

未払い残業代を取り戻すために集めるべき「3つの証拠」

もしミサキさんのように「名ばかり管理職」に仕立てあげられ、残業代が支払われていない場合、諦める必要はありません。過去の未払い残業代は、法律上さかのぼって請求することが可能です。

 

ただし、会社に対して残業代を請求する、あるいは労働基準監督署に相談するためには、「自分が実際にその時間働いていた」という客観的な証拠が絶対に必要不可欠となります。

 

会社に「そんな時間まで働いていた記録はない」「勝手に残っていただけだ」と言い逃れさせないために、今すぐ集めるべき「有効な証拠」は以下の通りです。

 

労働時間を証明する「客観的記録」

タイムカードのコピー・画面キャプチャ:最も基本的な証拠です。会社が管理職だからと打刻させてくれない場合は、以下の代替証拠を集めます。

パソコンのログイン・ログアウト履歴:PCの起動時間とシャットダウン時間のログは、強力な証拠になります。

業務メール・チャット(Slack, Teams, LINEなど)の送信履歴:深夜や休日に、上司やクライアント、メンバーへ送信したメッセージの「日時」がわかるスクリーンショット。

業務日報や週報:提出した日付と内容の控え。

オフィスの入退室記録:セキュリティカードの履歴など。

 

業務指示や「裁量のなさ」を証明する記録

上司からの業務命令メール・チャット:「本日中にこれを終わらせて」「土曜日のミーティングに出席して」といった、時間外労働を余儀なくされる具体的な指示の証拠。

スケジュール帳や日記:毎日の業務内容、勤務時間を細かく手書きで記録したもの。継続して詳細に書かれている日記は、裁判等でも証拠能力が認められるケースがあります。

 

役職の実態(権限がないこと)を証明する資料

就業規則・賃金規程・組織図:マネージャーの職務権限がどのように規定されているかを確認するため。

雇用契約書や辞令:「マネージャーに任命する」という文面と、給与体系が書かれたもの。

給与明細​:実際に残業代が0円になっており、役職手当がいくら支払われているかを証明するため。

 

理不尽な“会社の搾取”には泣き寝入りせず、NOと言う勇気を

「キャリアアップのために頑張りたい」という労働者の純粋な成長意欲を逆手に取り、管理職という都合のいい言葉で過重労働を強いる行為は、決して許されるものではありません。

 

ミサキさんのように、月100時間もの残業をしながら「役職手当4万5,000円」だけで片付けられてしまうのは、法的に見ても、人道的に見ても完全に異常です。

 

もしあなたが同じような状況に陥っているなら、まずは日々の労働時間の証拠を「1分単位」で集めることから始めてください。証拠さえ揃っていれば、社労士や弁護士などの専門家、あるいは労働基準監督署の力を借りて、正当な権利(未払い残業代)を取り戻すことができます。

 

自分の身を守り、流した汗に見合う対価を受け取るために、毅然とした態度で一歩を踏み出しましょう。

 

 

内海 正人

社会保険労務士法人 日本中央社会保険労務士事務所 代表社員

社会保険労務士/人事コンサルタント

 

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