「何かの間違いだ…」残業代ゼロの明細と、上司が放った冷徹な一言に絶望
プロジェクトが落ち着き、待ちに待った給料日がやってきました。あれだけの激務をこなしたのです。100時間以上の残業代と休日出勤手当が加算されれば、手取り額は相当なものになるはずと、ミサキさんは少しの緊張と大きな期待を胸に、給与振込口座を見ました。
しかし、画面に表示された振込金額を見た瞬間、ミサキさんは目を疑いました。
「……え? 30万円ちょっと……? なんで?」
残業代や休日出勤手当が十分に反映されているとは思えない金額で、慌てて社内システムから給与明細をダウンロードして確認しました。
・基本給:34万円
・役職手当(マネージャー手当):4万5,000円
・時間外勤務手当(残業代):0円
・休日勤務手当:0円
「何かの間違いに違いない」と、ミサキさんは明細をプリントアウトし、震える足で部長のもとへと向かいました。
「部長、大変失礼します。今月の給与明細を拝見したのですが、先月のプロジェクト期間中の残業代や休日手当がまったく反映されていないようでして……。何かのシステムエラーでしょうか?」
部長はミサキさんの持ってきた明細を一瞥すると、やれやれといった様子でため息をつき、冷徹なトーンでこう言い放ちました。
「エラーじゃないよ。君は先月から『マネージャー』、つまり管理職になったんだ。労働基準法でもね、管理職には残業代や休日手当は出ないことになっているんだよ。その代わりに『役職手当』を4万5,000円つけているじゃないか。これからは経営者目線で働いてもらわないと困るよ。あんなに働いたのにって言うけど、それも含めての『管理職』なんだからさ」
「管理職だから、残業代は出ない」という部長の言葉が、頭のなかで何度もリフレインしました。
月100時間以上、命を削るようにして働いたあの時間は、たった4万5,000円の手当ですべて帳消しにされてしまうのか。
ミサキさんは、自分が会社の都合のいい「タダ働きの道具」にされたことに気づき、絶望と怒りで目の前が真っ暗になりました。
