日銀の利上げに伴い、長らく続いた低金利時代が終わりを迎えつつあります。そんななか、焦りを感じているのが数年前に「変動金利」で住宅ローンを組んだ人たちです。「固定金利は損」「変動金利一択」というネット上の風潮や営業マンの言葉を信じ、ギリギリの資金計画でマイホームを購入した結果、金利上昇によって家計が立ち行かなくなるケースが急増しています。5,800万円の住宅ローンを組んだ33歳男性の事例をもとに、CFPの市川貴博氏が解説します。
金利上昇局面で取るべき行動
変動金利を借りている場合、最も重要なのは住宅ローン残高を減らす努力です。住宅ローンの利息は「住宅ローン残高×金利」で決まります。
金利上昇を止める力は個人にはありませんが、住宅ローン残高を減らす行動は自分自身で選択できます。固定費の見直しやボーナスの活用、計画的な繰上げ返済など、日々の積み重ねが将来の家計を守ります。
住宅購入でまず考えるべきは「住宅ローンの返済計画」
リスクのある投資商品を購入する際、多くの人は慎重になります。過去の運用実績やリスクを調べ、財産を一度に投入するのではなく、少しずつ積み立てながら様子を見ます。
ところが住宅ローンになると、なぜか慎重さが失われます。数千万円という人生最大級の借金を背負うにもかかわらず、金利上昇による影響や総返済額の変化を十分に検証しないまま契約してしまう人が少なくありません。
住宅ローンとは、「いかに支払う利息を抑え、計画的なコストに留めるか」を考える金融商品ですが、多くの人は住宅購入の付属品のように扱っています。
住宅購入を検討している方には「どんな家を買うか」の前に、「どのような返済計画なら将来も安心して続けられるか」を考えていただきたいと思います。それが、後悔しない住宅購入への第一歩ではないでしょうか。
市川 貴博
株式会社エフアンドエス・エキスパート 代表取締役
CFP®
株式会社エフアンドエス・エキスパート 代表取締役
CFP®/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/貸金業務取扱主任者
1970年静岡県熱海市生まれ。1998年より住宅会社の営業スタッフとなり、トップセールスとして活躍する傍ら顧客の住宅ローンとライフプランを真剣に考えるようになり、2000年からFPとしても活動し、以来1000件を超す住宅ローン相談と斡旋を経験する。
2011年には住宅会社を退職し、ファイナンシャル・プランナーとして独立開業。100%買い手側(顧客側)の立ち位置で住宅購入のアドバイスや家計相談をスタート。FPとして幅広く活動する中で、同年に生活経済研究所®長野にも参画。現在は事務局長に就任し全国で労働組合コンサルタントとしても活動中。
また2022年4月より日本FP協会静岡支部支部長に就任、2024年4月からは東海ブロック副ブロック長も兼務しており、ファイナンシャル・プランニングの普及・啓蒙活動にも注力している。
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