「俺は夫婦で仲良く過ごしたいだけ」→妻が抱えていた本音
「俺は、夫婦で仲良く過ごしたいと思ってただけなんだ」
浩二さんがそう言うと、由紀子さんは静かに答えました。
「私は、“仲良く”と“ずっと一緒”は違うと思ってる」
高齢期は、家庭以外の居場所や人間関係が生活の支えになることもあります。総務省『社会生活基本調査』でも、高齢者が趣味や地域活動、友人との交流に時間を使っている実態が示されています。
現在、夫婦は「常に一緒」をやめました。由紀子さんはこれまで通り外出し、浩二さんも料理教室や地域活動へ参加するようになりました。
「定年後って、“夫婦で向き合う時間”が増えると思っていました。でも実際は、“お互いを一人の人間として見直す時間”だったのかもしれません」
浩二さんはそう話します。
退職金2,300万円。数字だけ見れば、夫婦の老後は安泰に見えるかもしれません。しかし、老後に必要なのは、お金だけではありません。
距離感、役割、自由、孤独――夫婦それぞれが“どう生きたいか”を改めて考えることもまた、定年後には避けて通れない現実なのです。
温泉旅行の夜、由紀子さんが見せた表情は、30年間押し込めてきた“自分自身の人生を取り戻したい”という本音だったのかもしれません。
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