不動産を買いたい、売りたいときはどうすれば・・・
「不動産を買いたい」「売りたい」となったとき、まず、どこに相談すればいいのでしょうか。売買するときと保有するときとでは、関係してくる相手が変わってきます。冒頭に折り込みの業界関係図をご用意しましたのでご覧ください(本書籍を参照)。
まず、「不動産を買いたい」となった場合は、みなさんは見開きページ左側にある「買い主」になります。一般的には、不動産販売会社や仲介会社とコンタクトを取り、物件を探していくことになります。
逆に「売りたい」となった場合には、見開きページ右側にいる「売り主」となります。ここでは主に仲介会社に依頼するのが一般的です。ほかにも、保有中にはどのような会社と関係することになるか、どんな会社がアプローチをしてくるのか、できるだけわかりやすく図にまとめました。
不動産投資のゴールは「物件の購入」ではない
最近では収益不動産の「買い方」について、多くの書籍やサイト、セミナーで丁寧に教えてくれます。苦労しなくても情報を得られる時代になりました。ですが、不動産投資は「経営」です。経営である以上、買ったらそれで終わりではありません。
今、「不動産の購入に行きつくこと」が半ばゴールのようになってしまってはいないでしょうか。確かに取得しないことには話は始まりませんから、そこに注力するのは当然です。
しかし、やはりそこはゴールではありません。将来手放すその日まで持ち続ける=建物や部屋を維持する責任を負うということです。ここの意識やコスト感が希薄なまま購入している方が多いことに、とても不安を覚えています。
昔から、修繕などのコストに神経質なオーナーがいらっしゃいます。しかし、以前と圧倒的に違うのは、「不動産を購入する」ハードルが、良くも悪くも下がったことです。それは、「不動産経営」の基礎知識がないオーナーを増やすことにもつながっています。
物件購入からたった2年で修繕が必要になった事例
当社のセミナーにご参加いただいた、Mさんという方のお話です。
川崎市内でRC一棟マンションを買ったMさんは、比較的駅近にもかかわらず、表面利回りが10%で稼働しているその物件を大変気に入っていたそうです。固定費を差し引いた年間のキャッシュフローも約170万円あり、一見、順風満帆なスタートでした。
ところが、購入から2年後、屋上の雨漏りが発覚します。最上階の全入居者から一斉に至急の修繕を求める声が上がります。
管理会社経由で屋上の処置と全面防水の見積りを取ったところ、約200万円でした。さらに外壁にも亀裂が見つかり、そこからも雨漏りの可能性があるとのこと。作業には足場を組む必要が出てきますし、入居者への補償も発生します。
結局、総額は約400万円にのぼったそうです。Mさんは陽気な方なので笑い話のように話しておられましたが、実際はシャレにならないレベルのお話です。2年間積み上げてきたキャッシュすべてが霧散したうえに、自ら穴埋めをするハメになっているわけですから。
この話は次回に続きます。